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全国で増加するタクシー「運賃改定」の動き。損なの?得なの?

全国で増加するタクシー「運賃改定」の動き。損なの?得なの?

昨年12月、国土交通省よりタクシー料金運賃改定が発表され、2020年2月より全国25都道府県
48地区で実施されました。これにより、お客様だけでなく、タクシードライバーにとっても
どんな影響があるのでしょうか?タクシーのお仕事を考えている方も、料金が変わったことに
よって売上や収入にどんな影響があるか、気になりますよね。

一足先に運賃改定を行った東京特別区の例を踏まえて、見ていきましょう。

運賃改定とは?

2020年年2月に全国25都道府県48地区で実施されたタクシー料金の運賃改定。
これによりタクシーを利用する際の初乗り料金が約半分になりました…が、
それは初乗り時に概ね1キロだった場合のみなので注意が必要です。要するに今までは初乗りは、どんなに短くても「例:2キロ740円~」として行っていたのですが、
その基準が「半分」となったわけです。

改定の狙い

運賃改定の根本は、タクシードライバーの労働条件の改善を進める目的のため対策で、
初乗りに関しては今まで「2キロ」だったものが概ね「1キロ」での計算となり、いわゆる
「ちょい乗り」で利用することに関してはお客様の利用は安く済むようになります。
ちなみみ初乗り運賃(料金)とは、タクシーに乗車の際、一番最初に表示される運賃のことで、
この料金が最低運賃となります。 .

このタイミングだったのは?

今回の全国25都道府県48地区で実施されたタクシー料金の運賃改定のタイミングについては
国土交通省によると、『消費税10%の増税と同時進行でタクシー料金の運賃改定を行う予定
だったが、内閣府など省庁から意見調整があり、運賃改定が先送りとなっていた。』とのことです。

運賃改定した地域

北は北海道、南は九州と、沖縄県を除き日本列島を縦に概ねの地域で行われた今回の運賃改定。
政令指定都市で挙げるならば札幌、新潟、横浜(神奈川京浜)、千葉、埼玉、近畿(京都南部除く)、広島など。
観光地的要素の含んだ街も多いのが特徴です。

主要地域の改定内容

今回のタクシー料金の運賃改定は全国25都道府県48地区で実施されました。
大きな目玉として注目したい地域として下記の3地区の内容をまとめました。

運賃改定地域 以前の初乗り料金 / 加算内容 改定後の初乗り料金 / 加算内容
多摩地区 初乗り2キロ 740円 / 271m毎90円 初乗り1.2キロ500円 / 加算257m毎100円
神奈川京浜地区 初乗り2キロ (上)740円~(下)700円
加算288m~304m毎90円
初乗り1.2キロ500円~460円
加算264m~287m毎100円
大阪地区 初乗り2キロ690円 / 加算261m毎80円
小型車・中型車の料金をすべて普通車として統一
初乗り1.7キロ680円、加算241m毎80円
深夜早朝割増の開始時間を23時から22時に前倒し。

2017年に先駆けて運賃改定を行った東京特別区と隣接する多摩地区や京浜地区に関しては、
比較的足並みを揃えた格好ではありましたが、それでも事前アナウンスの不足が懸念され、
タクシー業界内でも「もう少し国全体でPRを促して欲しい」という要望がありました。
それが浮き彫りとなる形で、運賃改定初日は各所で「聞いていなかった」というお客様の
困惑した声もあったとのことです。

また、大阪地区を管轄する近畿運輸局管内9地区は約24年ぶりの運賃改定(増税時除く)となり、
事実上の値上げとなったことにお客様の対応に追われるシーンもありましたが、運賃運賃改定の
効果もあり、当月の営業収入は前月を上回る地域も多かったとのことです。
東京多摩地区に関しても同様の現象が起きています。

大阪府が24年ぶりにタクシー運賃改定へ!影響と今後の動向を考える

※ちなみに京都市では2018年4月より運賃改定を近畿運輸局管内では先駆けて行っており、
『初乗り1.7キロ610円(上)~550円(下)』から『初乗り1.2キロで450円(上)~410円(下)』
の値下げを敢行。その後消費税増税を機に現在は、『初乗り1.2キロで460円 / 加算252m
ごとに80円』となっております。

東京23区の状況

東京特別区・武三地区のタクシー運賃については、2016年の4月頃から初乗り運賃の見直しを
求めるタクシー事業者からの申請があり、国土交通省の審査を通過したのち2017年1月30日に
正式に運賃改定を開始。
それまでの『初乗り2km / 730円(上)~700円(下)』から『初乗り1.052km / 410円(上)~380円(下)』
に改定。いわゆる「ちょい乗り」の先駆けとなりました。
その後、2019年10月1日の消費税10%増税に伴い、東京特別区・武三地区は再度タクシーの
運賃改定を行い、現在の料金となりました。

東京特別区・武三地区の初乗り料金(2020年4月現在)

初乗り上限 420円
加算運賃 251m80円
初乗り下限 390円
時間距離併用 1分25秒

10月から東京特別区武三『初乗り420円』へ

損なの?得なの?

この運賃改定の仕組み、初乗りに関しては安くなった印象ですが、もし普段利用で1キロ、
あるいは1.2キロ以上の利用であったりすると割高になっているケースも。
上記の表でお分かりの方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的には「加算運賃」は
値上げになっているのです。そもそもの目的が『タクシードライバーの労働条件の改善を
進める
』ということがメインですので、お客様にはご理解いただきたい部分ではあります。

2月から横浜・川崎のタクシーは「初乗り500円」、加算運賃は値上げへ

長距離だと…

タクシー料金の運賃改定は、初乗りであればお客様も安く手軽に利用は出来る仕組みである
反面、距離をあまり長く乗ると、以前の料金で慣れている方は多少割高に感じることが
あるかもしれません(極端に高額ではないですが…)。基本的には「加算運賃」は実質の値上げに
なっているのです。

タクシードライバーにとっては営業収入向上の面で非常にありがたい今回の運賃改定では
ありますが、お客様にとっては決して「得の多い話」というわけではないことは確かです。
ただ、それでもタクシーは生活上、不可欠なものですのでやはり利用する方はいらっしゃいます
し、今回の運賃改定の伝達が世間にスムーズに伝わっていない分、接客面で理解を求めるのが
賢明です。

増えた需要例

東京特別区・武三地区で大幅な運賃改定を2017年に行った当初、確かにすぐ浸透するという
訳にはいきませんでした。ただタクシーの特性は「電車・バスがいけない場所へ行ける」
という素晴らしいメリットがあります。駅チカに住んでいる方は別としても、通常、電車・
バスがご自宅までお客様を運んでくれるということはまずあり得ません。

面倒な電車移動のショートカットに

近年のタクシーは交通系ICカードなどでの決算に対応しているケースがほとんどのため、
初乗り運賃程度の移動であれば、お手持ちの交通系ICカードでスマートに支払う形で
若者が利用するようになりました。いわばこれが「ちょい乗り」ということで徐々に
普及をし出し、オフィス街などの移動も首都圏独特の面倒な地下鉄の他社線乗換よりも、
タクシーで初乗り利用した方が料金も安かったという声も聞きます。

突然の雨に見舞われた際も…

今の時代コンビニエンスストアで傘はすぐ買えますが、移動の事を考えますと「その傘を
買うよりも、移動先までタクシーですぐだから、タクシー乗った方が安上がりなのでは?」
という発想の転換から、タクシー業務の大一番、「雨天時」には今まで以上にお客様からの
需要が増える可能性があります。

タクシードライバーにとっての運賃改定

ではこの運賃改定。実際現場で働くタクシードライバーにとってどのような影響を
及ぼしているのでしょうか?
パッとこの仕組みを見て「初乗り料金が安くなった」=タクシードライバーの収入も
減るのでないか?と考える方もいらっしゃると思いますが、実際のところはどうなの
でしょうか。タクシードライバーへの仕事、転職の際に気になる収入面にも大きく
関わってくる部分です。

配車回数で狙う

運賃改定当初は大なり小なり、タクシードライバー側も戸惑いもあったと言います。
それはそうです。今までよりも初乗り料金が約半分近くになったのですから。
ただ、タクシー利用に関して初乗りが短縮された点と、加算の部分を考えると言葉は
宜しくないかもわかりませんが、タクシードライバーにとってはありがたい話でも
あるわけです。数字のトラップにひっかかることなく、いつも通り仕事を行い、
お客様に関しては返ってタクシー運賃改定による「ちょい乗り」をうまく活用して
いただき配車回数を多くとっていくことが営業収入アップのコツでしょう。

タクシーは「お近くでもどうぞ」の時代になりました。

営業収入アップは一定の効果

上記の輸送実績ですが、『多摩地区』をご覧ください。特別区・武三地区外ですので、
いわゆる「ベッドタウン」が多い地域ですが…上昇しております。
この度の運賃改定の効果が出ている地域もございます。
(2020年2月の表になります。)
タクシードライバーへの転職の際、ご自分が希望される地域で運賃改定が行われた
地域かどうか、確認することをおすすめします。

とくに、関西圏(特に大阪・京都)は長距離の場合概ね「遠距離割引」という独自の
ルールがあり、5,000円を超えると超過分が半額となり、乗務員にとっては損を被る
ケースもあります。
そこで近距離のお客様が増えたことにより、以前よりも効率よく働けているという
話が出てきています。
※ただし日々目まぐるしく変わる情報なので、通年のお話しではないという事は
ご理解いただきたいと思います。
(2020年2月現在)

まとめ

2020年2月より全国25都道府県48地区で施行されたタクシー料金の運賃改定。
利用されるお客様には浸透しなかったりと当初の船出は多少苦戦もあったものの、
タクシードライバーの労働条件改善を進める目的で実施されたこの制度。
お客様のニーズに応えられる機会には、大いに活躍することは間違いありません。
お客さまにとっては、今まで以上に手軽に乗って頂けるという点では得を得る機会もあります。
ただ損とではいきませんが、以前に比較すれば、初乗り以上の距離を利用するのであれば今回の
運賃改定は、加算の上では事実上の値上げとなっていますので注意が必要です。
タクシードライバーにとっては、たくさんの方に気軽に乗って頂く機会を歓迎すべきですし、
長距離のお客さまに関しても、大変な理解があってのご乗車だと捉え、今まで以上にしっかりと
接遇をしなければなりません。これからタクシードライバーへ転職を考えている方も、
運賃改定の持つ重要性を考えて、将来営業されると良いかもしれません。

 

 

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