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【タクシー運転手の経験談】事故防止に必見!こんな『ヒヤリハット』に気を付けよう
タクシー運転手は一般の公道を拝借してお客様から料金を頂き営業しています。
それ故に日々多くの人と道路を共有していることから、『事故のリスク』と常に隣り合わせの仕事でもあります。
これは隠しようもありませんし、嘘を言う訳にも参りません。
但し誤解をしないでいただきたいのは、これらのリスクは日々の「安全運転」や「リスク管理」によって防止することが可能である…ということです。
しかし、「ヒヤリハット」と呼ばれる事故には至らないものの、危険と感じた瞬間は、日常業務の中で頻繁に発生します。これは実際にプライベートでクルマを運転している方であれば痛感することは多々あると思いますし、教習所でも耳にタコが出来るほど聞かされた内容だったのではないでしょうか。
今回は実際にタクシー運転手が経験した「ヒヤリハット」事例を紹介しながら、リスクを避けるための注意点を解説していきます。
▼この記事の登場人物【筆者以外】


タクシー乗務時の『ヒヤリハット』とは?
「ヒヤリハット」とは、重大な事故には至らなかったものの、「ヒヤリ」としたり「ハッ」とする危険な場面を指します。
事故の背景には必ずこうした小さな見逃しや油断があり、ヒヤリハットは事故防止の貴重なサインです。
▼タクシー業界で多いヒヤリハットの種類
・歩行者の急な飛び出し
・自転車・バイク等の急な進路変更
・一時停止の見落とし
・バック時の接触寸前
・車線変更時の死角
・展開(Uターン)時の未確認
など…
タクシー運転手が語る『ヒヤリハット』事例【実際の経験談】
それではここでタクシー運転手が語る『ヒヤリハット』事例をご紹介します。
昼夜問わずヒヤリハットはありますが、やはり夜間が多い印象です。
理由としては見通しが悪くなることが大きな要因でしょう。また、時間に追われることも起因しています。
一般のドライバーでも日々多く発生しますが、タクシーはまた少し違う内容でもありますので注目です。
【経験談1】夜間の横断歩道での歩行者見落とし
夜間の横断歩道では、歩行者を見落としがちなるリスクが潜んでいます。
暗い服装はもちろん、対向車とのライトで一時的に見えなくなってしまう…俗に言う「蒸発現象」などです。

深夜に人通りが少ない横断歩道を走行中でした。
黒っぽい服を着た歩行者が突然目の前に現れる「ヒヤリ」な経験をしたんです。
実はこれ、プライベートでも何度かあります。
暗い時間帯ほど「意識的に歩行者を探す必要がある」ことを痛感しました…。
ここでの対策ポイントは…『夜間は常にハイビームとロービームを適切に切り替える』ことと、『歩行者がいる可能性を前提に減速することを心がける』という点でしょう。
【経験談2】後方確認不足で接触寸前…
後退時の事故は交差点左折時の事故と同じく、タクシーでも多い事例の一つです。
ベテランのタクシー運転手も、「ヒヤリハット」は運転をする上では経験をした数は多いのではないでしょうか。後方確認はバックもそうですが、転回(Uターン)でも同様です。
Uターンはタクシー営業時では原則として「お客様から依頼があった場合のみ、決められた場所で安全な形で実施する」のが通例です。

22時以降のいわゆる「青タン(運賃2割増)」に切り替わる時間帯でした。
狭い道でしたのでバックをして進路を作り曲がろうしていた際、後方確認が甘く、直前に歩いていた通行人に気付かず「ハッ」とした事がありました。
急いでいたとはいえ、安全を怠った行為で反省しています。
ここでの対策ポイントは…『バック時に不明瞭な際は必ず降車して目視確認すること』と、絶対に『ミラーやバックモニターを過信しない事』です。
安全運転を心がけるが故の事ですが、事故防止のために必ず「目視」を実施しましょう。
【経験談3】自転車の急な飛び出し
以前にも増して自転車通勤が増加し、都心部にも「自転車走行レーン」が設けられている幹線道路も見かけますが、それでもリスクは非常に高いままです。

信号が青で直進していたところ、脇道から猛スピードで自転車が飛び出し、急ブレーキをかけました…!
自転車もそうですが、今街中で大勢見かける「電動キックボード」は正直なところ交通ルールを守らないケースもあるため、幹線道路などの公道ではもちろんのこと、住宅街や学校周辺では注意が必要です!
ここでの対策ポイントは…『見通しの悪い交差点では減速すること』と、『自転車やバイク、電動付きキックボードはいつでも飛び出してくる…と思う心構えを持つこと』です。
電動付きキックボードの普及もタクシー運転手のみならず、自動車を運転する側の目線となると一層気を付けながら運転することは変わり在りません。
ヒヤリハットを防ぐための心掛けと安全運転のポイント
それでは次に「ヒヤリハットを防ぐための心掛け」と「安全運転のポイント」を説明していきましょう。
これらは実際にタクシー事業者の出番会で話されている内容をいくつかまとめてご紹介しています。
無理をしない運行スケジュールを心掛ける
タクシー営業を行う際、時間に追われると焦りが生まれ、確認作業が疎かになってしまうことが多々あります。
やったらやった分だけ稼げる、高歩率、確かにタクシー運転手のお仕事は旨味のある業務内容ではありますが、稼ぎたいが故の焦りは絶対に禁物です!
余裕のあるスケジュールを意識して、安全確認を最優先にしましょう。

定期的な安全運転教育と自己振り返り
正味、「ヒヤリハット」は誰にでも起こり得ます。
安全運転を実施している最中でもです。無事故無違反の模範的なタクシー運転手でさえです。
だからこそ日々の運転を振り返りながら、「ヒヤリハット」があった際の同じ状況に、どう対応すべきだったかを考える時間を持つ習慣が重要となるのです。
疲労や体調不良を無視しない
ヒヤリハットの大きな原因は集中力低下も起因しています。
タクシー運転手にとって体調管理はご自身のお給料を稼ぐために大事な「お仕事」でもあるのです。
体調が優れない日は無理をせず休むことも、安全運転に繋がります。
寝不足、飲酒、流行性ウイルス、風邪、食中毒、高血圧など、しっかりとケアしましょう。
タクシー運転手に求められる『危険予知』
タクシー運転手は通称「プロドライバー」です。
何かがあってもお客様から「さすがプロドライバーだ」というお言葉を頂けるほどの対応力が求められます。
それ故に運転態度や危険予知が疎かでお客様から不信感を抱かせるような事をしてしまうのは、言語道断です。
それは、タクシー運転手に求められる『危険予知』について簡単にまとめました。
「かもしれない運転」を徹底しよう
タクシー運転手が安全に営業する上で大切なのは「かもしれない運転」を徹底することです。
それは『歩行者が飛び出してくる…かもしれない』『自転車が逆走してくる…かもしれない』『前方車両が急停車する…かもしれない』という万が一を考えての運転です。

し・か・し運転に関しては、一旦最悪を考えた上で、それを『防止する』という脳の思考に切り替えてください。
常に危険を予測し、最悪のケースを想定した運転を心掛けることこそが、ヒヤリハットを事故に繋げないという考え方です。
お客様の命を預かる責任感
ここで色々な記事でも書いてきましたが、タクシー運転手は公共交通機関の一員として、お客様を安全に目的地へ届ける使命があります。
ですのでタクシー運転手はプロドライバーとして、お客様の命を預かる責任感を忘れずにハンドルを握って営業しましょう。

油断や慢心が、取り返しのつかない事故に繋がることを肝に銘じましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
タクシー運転手として働く中で、ヒヤリハットは誰しもが一度は経験するものです。
重要なのは、こうした「ヒヤリ」「ハット」を見逃さず、次に活かすこと。
それが安全運転を重視するプロドライバーとして非常に大きなプロセスとなります。
日々の運転で小さな気付きや反省を積み重ねることで、大きな事故を未然に防ぐことができます。
これからタクシー運転手への転職を考えていらっしゃる方、あるいは現任ドライバーで転職を考えているという経験者の方も、事故リスクを正しく理解し、安心・安全な運転を心掛けることがタクシー運転手という職業を長く働いていく上での重要なポイントとなりましょう。
タクシー業界で安心して働きたい方は、安全教育や労働環境の整った会社への転職を検討してみてはいがでしょうか?