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タクシー運転手人材確保へまた一歩!警視庁が「普通第二種免許」の教習カリキュラム短縮決定へ。

タクシー運転手人材確保へまた一歩!警視庁が「普通第二種免許」の教習カリキュラム短縮決定へ。
カケル
カケル
この記事を書いた人:『転職道.com』の転職相談スタッフ・『タクシーハローワーク(TSJ)』では職業紹介管理者としてタクシー求人コンサルタントを7年従事したのち、東京特別区地理試験・法令試験取得者/二種免許保持。数々のタクシー企業担当者との取材や求職者との会話で最新の情報を記事化しています。自らも地理試験・法令試験・二種免許を保持し都内タクシードライバーとして勤務もしているまさに『二刀流』です。タクシーバイト企画中もJPN TAXI及びクラウンで史上最速の平日&週末の両日連続で営収10万円を5度達成!現在では特別区売れっ子タクシー運転手としても活躍中。

普通第二種免許(以下:二種免許)…それは「プロフェッショナルの運転手」であるという資格であり、おそらくはタクシーもしくはハイヤーの運転経験を持つもの、或いはこれからその仕事に就く方がほとんどでしょう。
(ごく稀に「時間が出来たので資格だけ取った」という方もいらっしゃいます。)

現在、二種免許の資格は満21歳以上で、視力は両眼で0.8以上(片眼がそれぞれ0.5以上)、眼鏡、コンタクト可。※三桿法を使った深視力検査を実施しその誤差が平均2㎝以下であることが必須。信号機の赤、青、黄色が識別でき(色彩識別能力)、10mの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえる聴力が条件となります。

また、運転に支障をきたす身体の障害がないことも必須となるので、タクシー運転手というのは様々な条件が整って初めてハンドルを握って公道で営業が実施できる接客業なのです。

カケル
カケル
と、ここまで難しくそれっぽく書きましたが…笑。
そこそこ普通の条件なのでご安心ください。

また、深視力検査に関しては二種免許ならではの検査となりますので、事前に動画などで練習しておくとよいでしょう。

タクシー運転手人材確保へまた一歩!警察庁が「普通第二種免許」の教習カリキュラム短縮決定へ。

警察庁は、タクシー運転手の必須資格である二種免許取得に係る教習カリキュラムの見直しを行うことを明らかにし、令和7年9月1日に施工予定の道路交通法施行規則の改正案に組み込むこととしました。

教習日数が大幅に短縮

この度公表された道路交通法施行規則の改正案には『普通第二種免許に係る教習時限数を短縮』という内容が組み込まれております。

つまり自動車学校(以下:教習所)での学科教習を従来の19時限から17時限に短縮する内容が記されています。

また、技能教習に関しては現行の21時限からなんと9時間も短縮となる12時限に変更となります。

以上のことから最短教習日数もこれまで最短でも6日程度かかっていましたが、今回の改正によって、なんと「最短3日」を実現する形となりました。

カケル
カケル
二種免許を取得した1週間は非常によく覚えています。

6日~8日程度を要していたかもしれませんが、それでも「詰めて講習した」印象がありますよ。

また、基本的には運転が初めてという訳ではない手前、確かに短縮しても良い内容が存在していたことは納得がいきます。

時代背景か…「経路の指定」が削除

カリキュラムの短縮によって削除された教習内容の中には、削除する必要があったのかと疑問を感じる部分もあります。

近年はお客様のタクシー乗車の際、配車アプリでの注文が圧倒的に増加した背景を踏まえ、この度二種免許の教習内容から、「経路の設定」に係る教習を削除する見込みであることが明らかになっています。

カケル
カケル
確かにアプリ配車の普及は目覚ましいものがあります…が、そうは言いましても未だに流し営業や駅待ちも成立しているのが現状ですから、経路の指定が削除されたことには驚きです。

タクシー会社でも全ての会社が新人研修などでこの内容を実施しているかと言いますと、おそらくそうではないでしょう。

免許取得期間半減の要望が実現した形に

タクシー運転手の営業に必要不可欠な資格「二種免許」ですが、この免許取得期間半減の要望は遡ること1年前から動きがありました。

それは令和6年6月21日に閣議決定された規制改革実施計画が発端で、警察庁では同年9月に「普通第二種免許に係る教習カリキュラムに関する調査研究有識者検討会」を設置しました。
その後今日まで実験教習等を実施して検討を進めてきたのです。

二種免許の教習期間を半減するよう求める要望があることも踏まえ、普通第二種免許に係る教習を見直し、同免許の取得に要する期間を短縮するため、第一種免許と重複する科目の縮減等により、同免許の取得に係る教習を効率化する。
【令和6年6月21日 規制改革実施計画一部抜粋】

人材確保へ…本当に人手不足なのか?

二種免許はプロドライバーの証となる免許証であることは前述でも申し上げましたが、何を訴えたいかと言いますと、タクシーをはじめとするクルマを運転してお客様を送迎して運賃を頂く…即ち旅客業には必須の資格ということなのです。

今回の教習日数短縮は需要と供給のアンバランスが生成されているタクシー業界の人材確保の狙いもあります。しかし果たして本当にタクシー業界は人手不足なのでしょうか?

10年前よりは遥かに減ったタクシー人口

全国のタクシーを管轄する国土交通省によりますと、タクシー事業者所属の運転者数は令和5年の統計ですが23万1938人とのことです。

これは約10年前の平成25年のデータを見てみますと…約36万2000人で大幅減少と見れなくもないですが、この間国内はもとより、世界中で猛威を振るったコロナ禍がありました。

コロナ禍以降は人材確保のための採用強化もあって人材確保はコロナ禍前の数字に近づいてはいるものの、少子高齢化などによる定年退職や個人タクシー開業、その他もあって未だもってしてタクシー業界は人手不足の業界であることは否めません。

カケル
カケル
ただし、一極集中という状況であることは間違いなさそうです。
その証拠に東京都内のタクシー運転手及び車両台数は年々増加傾向にあります。

タクシー運転手になるハードルを下げるために

このような状況下で、地方郊外などでは交通の問題が生じているのをご存じでしょうか?

タクシー運転手の人手が不足しているのは地方において顕著であり、深刻化している移動手段確保の問題などを解決することが先決となっています。

そのため警察庁はタクシー運転手になるためのハードルを下げ、運転手人口の増加を促すために、タクシー・ハイヤーの運転に必要な「普通第二種免許」の教習のカリキュラム短縮に踏み切ったという訳です。

カケル
カケル
チャレンジしやすくする土壌とすべく!

3年前には「特例講習」で規制緩和も

ところでこの二種免許、一般的には「普通自動車免許取得後3年経過後」もしくは「最低21歳以上」というのが条件としてはよく聞くと思います。

しかし実は…免許取得後間もない状況でも「どうしても私はタクシー運転手になりたい!早く二種免許が取りたい!」というやる気に満ち溢れた方にも門戸が開かれているのをご存じでしたでしょうか。

それは特例講習と言いまして、その講習を追加で受講すれば二種免許を普通自動車免許取得後1年以上であれば取得可能となります。それは同時に18歳で運転免許を取得した少年少女も、19歳以上となれば取得条件が満たされるという意味でもあります。

カケル
カケル
実際に全国のタクシー事業者でも事例としては多くはないものの、特例講習を受講し若くしてタクシー運転手としてデビューした方が男女問わずいらっしゃりニュースにもなっているほどです。

これから~Opinion~

今回はタクシー業界にこれから転職を考える方向けのニュースと言えるのではないでしょうか。

タクシー運転手への道のりは「地理試験」の廃止など年々そのハードルが低くなり、身近な仕事になりつつあります。

ですが、ご自身の免許を使ってのお仕事ですので安全運転は欠かせません。
必ず取得しなくてはいけない『二種免許』に関わることは、教習所での講習で終わる訳ではなく、学科試験という最大の山場が待っています。
それに合格して初めて二種免許を取得→タクシー運転手としての資格を得るのですから、限られた時間と言えどかけがえのない時間です。
教習所では一種免許のおさらい的な内容が確かに多いですが、初心に帰ってしっかりと復習・勉強することをお勧めします。

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