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転職相談でよくある質問集④【条件編】

転職相談でよくある質問集④【条件編】

人生の節目、大きな転換期…人との別れもさる事ながら出会いもそうです。冠婚葬祭だけでなく、人間として生きていくのに不可欠なもの、それは「生業」です。

その選択肢の中にふと「あ、タクシーの仕事ってどうなんだろう?」と知人の勧めを含め外部等の情報で小耳にし「タクシードライバーかぁ…」と疑問に思いながらも、勇気を出してタクシー求人サイトの転職相談へ相談を頂いた方々からのご質問などを、いくつか例を挙げてご紹介したいと思います。

今回はタクシー会社の「条件編」です!

「二種免許なくてもいいの?」

数多の仕事求人で条件面には「要普通免許」という見出しがあるが、タクシードライバーの場合はさらにもう一段、「二種免許」が必要となる。

タクシードライバーのお仕事を始めるにあたり、まずはじめに考える事。それは資格ではないでしょうか?
タクシードライバーの仕事にも当然ながら国家資格が必要となります。

それは何を隠そう、自動車免許の「第二種免許」です。

会社負担で取得可能

タクシーは回送時を除き、普通免許では運転できない。そのため未経験者はまずタクシー会社へ入社後、二種免許の取得を行う。費用は条件等あるがほとんどの会社が負担してくれる。

実は意外と多くの方は知らない事実ではありますが、タクシー会社では現在、未経験者の方に限り二種免許の費用を負担してくれる企業がほとんどです。
100%ではないのですが、それに近い水準と申し上げて良いと思います。

長くタクシー業界に君臨されている管理者の方や、転職相談のカウンセラーも、この事実に関して言えば「いつの間にか『当たり前すぎて』あまり着目する部分でもなくなっていた」というのが本音です。
(転職相談で初めてタクシー業界に興味を持たれた方からお電話を頂いた際、皆様から『二種免許費用が会社負担という驚愕の事実を知った際の驚きよう』は、逆にこちらが驚くほどです。)

取得には条件がある

タクシー会社も「二種免許を取得してすぐ退職」となってしまっては意味がない、取得条件面は考えてみれば当然といえば当然であるし、タクシードライバーのモチベーションにもなる。

但し二種免許も取得すれば終わりではありません。

当然ながら会社によって養成機関の勤務配属のお約束など諸条件はあります。もし「厳しいなぁ…」とお考えの方がいらっしゃいましたら、一度考えてみてください。
総務省管轄の誰しもが手のひらでかざし、そして誰しもが耳元をかざし、極めつけは誰しもが口元でしゃべりかける…あの携帯電話・スマートフォンでさえ、『2年契約』が通例ではありませんか。

入社後に一生役立つスキルと国家資格を会社負担で取得できる…なかなか願ったり叶ったりとは少々オーバーかもしれませんが、それだけ養成に懸けるタクシー業界の思いは強いということです。
また取得条件として「自動車免許取得後3年以上経過していること」が原則条件ですので、最年少でも21歳から取得が可能という事になります。

※平成30年に警察庁が有識者会議を行い「第二種免許取得の資格を現行の3年以上から「1年以上」に短縮する検討に入ったという話もあります。

警察庁は3月15日、タクシーやバスの運転に必要な二種免許の受験資格の規制緩和を検討している警察庁の有識者会議は18日までに、受験資格について「普通免許保有3年以上」(経験年数要件)とする道交法の現行規定を「1年以上」に短縮することを可能とする提言を発表した。警察庁はタクシー・バス運転手などの二種免許資格者の減少傾向に歯止めをかけるべく、旅客業界の人手不足も踏まえ、2017年6月に制度の在り方を検討する規制改革実施計画を閣議決定。これに基づき、有識者会議を設け、海外の事例も参考に検討を続けている。警視庁は現在の受験資格である「21歳以上」とする年齢条件は引き下げの方向を示しつつも「一定の教育が必要」と指摘。『教育効果を検証する実証実験を行った上で判断すべきだ』とのこと。今回の提言内容を踏まえて、本度中にも方針を固める見込みだ。

東京交通新聞 平成30年3月掲載分より一部抜粋

 

「事故を起こした場合どうすればいい?」

やってしまった…ということは大なり小なり人間ならあるはず。運転していても完璧な運転をいつでもできると限った訳ではない。

こちらも多かった質問です。人間であれば当然でありましょう。

事故なんて無いほうが良いに決まっています。
それでも事故を起こしてしまった…という場合はどうすればよいのでしょうか?

事故を起こさないように心掛けましょう

タクシーは交通法規を守り、万が一無理な事を言われても冷静な対応をすることが大切である。

読んで字のごとくで申し訳ありません…
でもまさにコレです!

タクシーはタクシードライバー一人の乗り物ではないということを肝に銘じましょう。
タクシー会社に所属し、走れる状態に整備士さんが万全の状態に整えてくれる。そしてタクシー車両はあなた一人が独占する1車制とは必ずしも限りません。
あなたが明け番やお休みの日に違うタクシードライバーがその車両に乗るかもしれません(2車制)。

そして何より、お客様をお乗せし料金を頂戴するということ。これが自家用車との大きな違いではないでしょうか。
そう考えますとむやみにスピードを出したりする危険な運転や信号無視や道路交通法を破るような運転はもってのほかです。

自分自身で対処できる事故防止もあるはずです。ぜひとも心掛けましょう。

それでも起こしてしまったら…

夜となれば日中よりも運転を注意しなくてはならない部分が増える。事故の確率も多くなるので気を付けたいところ。スピード違反や信号無視で捕まってしまうのも注意だ。

「あんたァ、今日も一日がんばって!気を付けてね!気を付けるのよ!」
…タクシー会社に転職後、出社(出番)の日は決まって家内に都度念押しをされるあなた。

「本日も安全運転で行ってまいります!」と朝礼で元気よく所長と挨拶を交わし、タクシー車両に乗り込むあなた。

そして「さぁ出発だ!」とばかりにタクシー営業所の目の前の大通りへ行くために左折したあなた。

…その時!対向車が突然かすってきてました…!

▲というシチュエーションがあったとしましょう。
事故は事前に防げるものも当然あるのですが、どうしてもイレギュラーなケースもあります。
ではそんな時にタクシードライバーは破損した車両の修理など、全額を保障するものなのでしょうか?

◆基本的に現在のタクシー会社の多くは「事故保障」という制度が設けられております。

タクシー会社によって対応の方法や金額の負担割合などはさまざまですが、概ね5,000~50,000円付近や、お給料の際に付随する「無事故手当」を事故が起きた際の当月分カットという制度も。
タクシードライバーに転職する際、万が一に事故を起こしてしまった場合に事故保障の体制が整っている会社を選ぶと乗務の際も安心でしょう。

タクシー会社は『責任を全てドライバーに押し付けず従業員を守る』という部分が垣間見える業種でもあります。

事故保障の対象外となるケース

近年は「ながら運転」の罰則化が進んでいる。こういったケースで事故を起こした場合は当然本人に責任が生じてしまう。

そんなタクシー会社でも、いかなる事故を起こしてもOK!という訳には参りません。事故保障の対象外となるケースはあります。

まず、悪質な運転による事故、またはそれによる人身事故。そしてシートベルト着用の怠りやスマートフォンを操作しながらの運転などです。
これらは明らかな服務規程違反だけではなく、道路交通法違反にもなります。

事前に防げるべく内容であったにも関らず、上記の理由により事故を起こしてしまった場合は全額負担、あるいは最悪の場合は解雇となるケースもありますのでご注意ください。昨今は車内にも防犯カメラ(ドライブレコーダー)が搭載しておりますので、良くも悪くもエビデンスはしっかりと残ります。

これが場合によってはタクシードライバーを助けてくれる役割を担いますが、ごまかして後で大ごとにならないように常日頃から気を付けて運転をしていくことが重要です。

「有給休暇ってもらえるの?」

他業種に比べて自分の時間を自由に使いやすいのもタクシードライバーの魅力、シフトを上手に使い、手に入れた有給で趣味の時間に思いきり講じる方も非常に多い。家族サービスも同様だ。

正社員・パートアルバイト…雇用形態は多岐に渡るも、働く人間としてとして当然の権利…

なんて少々オーバーですが、有給休暇に関してタクシー会社のような特殊なシフトを敷いている業界・会社において「有給休暇」という制度はどのようにしてあるのか?あるいは無いのではないかと不安を覚える方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?

では実際に現場ではどのような対応をなされているのかご説明いたしましょう。

もちろんあります

せっかく取得した有給は、有意義に使いたいもの。その気持ちは職種関係なく思うところである。

上記でも端を発したように、年次有給休暇という制度は正社員・パートアルバイト関係なく発生します。

正社員の年次有給休暇とはすべての労働者において『雇われた日から6か月継続経過していること』そして『その期間の中の全労働日の8割以上出勤したこと』というのが条件となり、原則的な日数として「6か月で10日」、「1年6か月で11日」、「2年6か月で12日」、「3年6か月で14日」。「4年6か月で16日」、「5年6か月で18日」、「6年6か月で20日」となっており、勤続年数が6年6か月以上になった際は年次有給休暇の日数が年20日となり、これ以降は増えません。

また、年次有給休暇は2年で時効となりますのでご注意ください。

※雇用形態がパート・アルバイトの場合でも有給休暇(比例付与)は発生しますのでご安心ください。週の所定労働時間が30時間未満の労働者は別途算出方法となります。

業種、業態にかかわらず、また、正社員、パートタイム労働者などの区分なく、一定の要件を満たした全ての労働者に対して、年次有給休暇を与えなければなりません。

年次有給休暇を取得する日は、労働者が指定することによって決まり、使用者は指定された日に年次有給休暇を与えなければなりません。ただし、労働者の指定した日に年次有給休暇を与えると、事業の正常な運営が妨げられる場合は、使用者に休暇日を変更する権利(※時季変更権)が認められています。

※ 時季変更権の行使が認められるのは、例えば同じ日に多くの労働者が同時に休暇指定した場合などが考えられます。単に「業務多忙だから」という理由では、時季変更権は認められません。

【労働基準法第39条:厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署より抜粋】

賃金の割り出し方法

タクシー会社の有給休暇の賃金算出は各会社によって異なるので、確認が必要となる。通常の職場とは異なる内容であるので、疑問であるということを聞いてみよう。

タクシー会社の場合、各市区町村の最低賃金を基に算出をしているケースもありますが、よくある例としては「過去3か月間の該当者給料を基に平均値を算出し、有給休暇付与の際の賃金を算定する会社もあります。

年次有給休暇とは呼んで字のごとく、「賃金が発生する休暇」なのです。
…そう書くとなんだか良い響きではありませんか!

「女性でもタクシードライバーになれるの?」

「タクシーは男の仕事」なんて時代錯誤もいいところ。割合こそまだ8割強~9割近くが男性ドライバーではあるが、考え方によっては実に全体の10%近くが女性ドライバーというのも、転職へのデータとして心強いものではないだろうか。

タクシードライバー職は、何も女子禁制の職場ではありません。角界もびっくりです。

運転免許の資格でさえ、性別やマイノリティに差別はない以上、タクシードライバーだって同じです。
ただし、「女性ドライバーってピンとこない」「私でもなれるのかしら…」「大変そう…」と言った質問、相談も頂いております。

結論は『なれます』。ご安心ください。

増える女性ドライバー

運転手という括りで言えば、電車の運転手、バスの運転手も同じく、女性がタクトを振るうことが今や当たり前となって来た時代。タクシードライバーの世界も同様のことが言える(写真は第一交通)

今現在女性ドライバーの数が多くなっているのもタクシー業界・運輸業界の特徴と言えるのではないでしょうか?

特に東京特別区は女性ドライバーを見かけることが数年前に比べ、比較的多くなった印象があります。
理由はそれぞれ転職までのストーリーをお持ちではあるとは思いますが、夕方のニュース番組の特集やNHKの特集等でも組まれたこともあり、その注目度もうかがえます。

女性の社会進出の一環という括りに収まらず「女性タクシードライバー」が第一線で活躍するという日常は、決して珍しいことではなくなってきているのは事実です。
現場の声からも、某都内大手タクシー会社では「一番の稼ぎ頭は女性ドライバーなんですよ!」という話も以前、訪問の際に所長様から何度もうかがったことが本当にありますし、良く耳にするのが「お客様への気配りがきちんとしている」「女性客から“安心感がある”という意見を頂く」「細かいことによく気付く」などです。

研修体制もしっかりとしているので、是非タクシー業界をチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

設備面の充実度

女性タクシードライバーが気兼ねなく休憩をとれるように、各社では特色のある設備面の充実が図られている。(女性スタッフが撮影)

タクシー会社への通勤が「歩いてすぐ」あるいは「車通勤で大した距離ではない」のではあればそこまで気にする部分ではないかもしれませんが、働く以上は「設備面」の様子はどうしても気になりますよね。

“女性タクシードライバーの採用を積極的に行っている会社”は基本的に「女性専用設備」を設けていることが多いのも特徴です。

実際にオープン前の女性専用設備を見学。シャワー室も区切ってあり、映ってはいながオシャレな花が生けられていた。

化粧室は当然ながら、パウダールーム、専用仮眠室、シャワー設備など、仕事で疲れた身体をしっかりケアして明け番にリフレッシュすることができます。

以前数社のタクシー会社に女性専用設備の見学をさせていただいたことがあります。
一社目はこれからオープンするとのことで、まだ部屋内も真新しく、細部にわたり見学をさせていただくことが出来ましたが、壁の色使いやライトの配色、落ちついた雰囲気など、女性タクシードライバーが乗務前後にも快適に過ごせる場所であることが良くわかりました。

二社目も同様に専用化粧室、シャワー、仮眠室、パウダールームなどが揃い、水場と冷蔵庫も併設されていることから安心感をもって利用ができる施設でした。三社目に関しても現在建て替え工事の前で社内が大きく賑わいを見せている中、女性専用設備に関しては静かで落ち着いた空間が保たれており、何かあれば気軽に利用できるという点にプラスして、万が一の際におけるオートロックなどのセキュリティ面も充実していたのも印象的でした。

当然ながら緊急時を除き原則的に男子禁制ですのでご安心ください。(※二社目、三社目はタクシー会社が営業中であったため、同行の女性スタッフが取材してくださいました)。

求人検索の際は、そういった部分も注視しながら選ぶのも一つの手ではあると思いますし、きっと気配りが行き届いたタクシー会社ならではなのかと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
私たち相談を受ける側としても、もしくはタクシー会社で働く現場の方でさえも、基礎的な条件面などはとかく「当たり前にあるもの」といつしか思ってしまい、見落としがちな部分です(完全なる職業病ですよね…反省します笑)。

ですが、やはりそこは原点に返るべきで、「タクシードライバーとして働きたい!」と心に決めた方、もしくは「色々仕事がある昨今、タクシー業界ってどうなのかな?」という方への後押し、そういった総合的な点でどんどん転職相談を利用していただきたいと思います!

ハンドルを握る時間で言えば道中「おひとり」でいることが長くなる仕事ではありますが、タクシードライバーへの転職における時間は決して道中、おひとりではありません。

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