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タクシードライバーなどの氏名掲示義務を廃止

タクシードライバーなどの氏名掲示義務を廃止

皆さんはタクシーに乗る時、「どんなドライバーが乗っているのだろう?」と気になって助手席の乗務員証を思わず見てしまった経験はないですか?

今回はそんな「乗務員証」の制度にまつわるニュースです。

タクシードライバーなどの氏名掲示義務を廃止

国土交通省が交付する『道路運送法施行規則』がこの度、一部を改正する省令と関連告示が公布されました。

これによりタクシードライバーはもちろん、バスや自家用有償旅客運送で車内にドライバーの氏名などの掲示義務が8月1日より廃止となります。

タクシードライバーのプライバシー確保へ。国土交通省が乗務員証の義務付け見直しへ

SNS普及による個人情報漏洩危惧

今年(令和5年)5月に国土交通省が乗務員証の見直しを発表し、現場で働くタクシードライバーなどのプライバシー遵守の流れを汲む形となりました。

近年はSNS普及もあり、個人情報の漏洩が危惧されやすくなっております。

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時代があらゆる面で便利になりすぎてしまった代償として個人を特定しやすくなった事もあり、その温床の一つが「氏名」と「顔写真」が公表されている乗務員証という訳です。

単なるクレームだけでなく、タクシードライバーの個人情報が悪用されることが懸念されるため、制度を改正に踏み切りました。

トラブル防止の観点

今回の乗務員証廃止はタクシードライバーと乗客のトラブル防止という観点も色濃く出ています。

テレビなどでも盛んに放映されているタクシードライバーと乗客とのトラブルですが、もちろんあのような出来事は日常茶飯事ではないという事だけは先にお伝えしておきます。
滅多なことでない限りおきませんし、むしろあのような映像をメディアへ情報提供している事自体が疑問符を持ちます。

ただし、百歩譲って万が一…トラブルに巻き込まれた際の事を考えてみましょう。
後先にストーカー行為などされた日にはたまったものではありませんよね?
また、タクシードライバーへ転職された方は様々な事情を抱えて人生のリスタートを本気で賭けている方も中にはいらっしゃいます。

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そういう方をむやみに検索されて個人を特定して問い質すような行為は、まさにプライバシーの侵害にあたりますし、トラブルの原因にもなりかねません。

タクシー運転者証の様式も変更

実はこの度、氏名掲示義務を廃止はしますが、タクシードライバーの「乗務員証(タクシー運転者証)」の様式は変更になります。

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一体どのような変更点となるのでしょうか?

氏名の記載は原則行うも…

タクシーの乗務員証は乗客に表示する面から、氏名、顔写真、運転免許証の有効期限を削除します。

そして運転者証としての機能を果たすため、氏名については原則記載を行いますが、乗客から見えない面に記載しています。

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尚、新しい乗務員証への更新は、経過措置を設けるとのことです。

タクシードライバーの「乗務員証(運転者証)」とは?

タクシードライバーの「乗務員証(タクシー運転者証)」とはどんなものでしょうか?

タクシーの乗務員証ってなに?

助手席のダッシュボード上にある顔写真と氏名、運転免許証の有効期限などが記載されているものですが、果たしてどんな役割をしているのかは、いまいちピンとこないかもしれません。

退職→移籍の際も必須。

タクシーの乗務員証は、いわばタクシードライバーとして働く上での一生モノの証明になります。

というのは、タクシードラバーを継続する以上、いかなる営業所でも必要になります。
例外はありません。

例えば、あなたが現在勤務しているタクシー会社A社を退職して、新しいタクシー会社B社へ転職する場合、A社で使用した乗務員証を直ちに、国(国土交通大臣)に返納しなくてはならないのです。

 (運転者証の返納等)
第十六条 タクシー事業者は、その雇用する登録運転者について次の事由があつたときは、直ちに当該登録運転者又は登録運転者であつた者に係る運転者証を運輸大臣に返納しなければならない。

一 第七条第一項第一号又は第二号に該当すること(第十条第二項の運輸省令で定める事由により第七条第一項第一号に該当する場合を除く。)となつたことを知つたとき。
二 退職したとき。
三 指定地域内の営業所に配置するタクシーの運転者として選任することをやめたとき。
四 第十条第一項第一号の事由による登録の消除に係る同条第三項の通知を受けたとき。

 タクシー事業者は、その雇用する登録運転者が第十条第二項の運輸省令で定める事由により第七条第一項第一号に該当することとなつたことを知つたときは、直ちに当該登録運転者に係る運転者証を運輸大臣に提出しなければならない。
 運輸大臣は、前項の規定により運転者証が提出されたときは、第十条第二項の運輸省令で定める事由の存続する期間中、当該運転者証を領置するものとする。
【法律第七十五号(昭四五・五・一九) タクシー業務適正化臨時措置法より】
※施行時の文面を表記しているため、「国土交通省」「国土交通大臣」が当時の「運輸省」「運輸大臣」となっております。

これから~Opinion~

「私、こういうものです」…初対面の方には、相手に自分の事を知っていただくためにも、氏名を名刺というサラリーマンの武器を以て掲示するのがBtoBないしBtoCの礼儀でもあります。

しかしながら、時代も利便性が向上しすぎるが故、危険な産物を生んでしまうことも否定できないのでです。プライバシーの侵害や、SNSが巻き起こす個人特定などはまさに暴力とはまた違う意味での凶器とも言えます。

とはいえ、タクシーも接客業ですので乗車したばかりのお客様に対して「自己紹介」をするのは、安心を与えるという意味では非常に行き届いたサービスなのではないかという見方も出来ます。
かの大手「日本交通」でもタクシーに乗車すれば、タクシードライバーが原則自己紹介を行いがてら「安全運転で運行してまいります」と一言お客様にお伝えするのですから、それくらいのサービスがあっても良いのではとも思います。

とある私鉄の鉄道会社で車掌さんが始発駅を出発すると「運転手は●●、車掌は●●でございます」と挨拶するように、また、飛行機の機内でも「機長を務めます●●と、副操縦士の●●です」と伝えるように…乗務員証も氏名くらいでしたら『責任と誇りを持つ』という観点で開示しても良いのかもしれません。

 

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