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まもなく2026年!冷え込む日中関係と国内タクシーの関係性とは?

近年、日本と中国の外交関係はさまざまな報道によって「冷え込み」と評されることが増えています。
とはいえ、この政治的背景がそのまま国内のタクシー営業にどう影響するのかは一概には語れません。
今回は、2025年も残りわずかとなり、まもなく2026年を迎えるこの時、今後の日中関係とインバウンド需要の変化が、タクシー業界にどう波及しているのか?そして「このような情勢でもタクシー運転手に転職してメリットがあるのか?」という視点でお悩みの方へは抑えておきたい内容をまとめました。
日本を含め如何なる国においても違法な白タクは存在しますので、特定の国を非難中傷したり政権を批判・評論するものでは一切ありません。
インバウンドの柱「中国からの訪日観光客」の動向
コロナ禍前後におけるインバウンド需要の中でも、中国人観光客は統計的に見ても圧倒的な存在感を放っていました。
内容としては団体ツアー・ショッピング・観光地巡りといった定番コースが主で、「爆買い」といったワードも飛び交ったのは記憶に新しい事でしょう。
無論その現場では、多くのタクシーが活躍の場を持っていました。
2024年以降は変化が
しかし、2024年以降、訪日中国人観光客の旅行スタイルに変化がみられるようになりました。
個人旅行志向の高まり、かつての爆買いは減少。
さらに頭を悩ますのは母国で既に日本国内で利用する白タク(違法タクシー)予約の増加によって、正規のタクシーを利用する件数が減少傾向にあるという点でしょう。
大方予想されていた中国人観光客による日本国内でのDiDiやUberなどの利用は普及せず、Uberに限っては返って欧米等のユーザーが国内での旅行時に利用する機会が増加した背景があります。
白タクと正規タクシーの違いとは?

改めでですが、白タクと正規の営業を実施するタクシー(法人・個人)の違いをここで説明します。
白タクは国内において昔から大都市圏などでまことしやかに起きていた問題ではありました。
しかし近年は中国人観光客などの利用をはじめとする目的で多くの白タク利用者や業者が摘発されています。
ポイントなども含めて紹介しますので、押さえておきましょう。
白タクは“違法”な存在
改めてにはなりますが、「白タク」とは、営業許可を持たない一般人の自家用車(=白ナンバー車)による有償送迎サービスのことを指します。
軽自動車は当然黄色ナンバーですが、積載用や見た目の関係から白タクとして敬遠されています。
無論、日本では道路運送法により、正規の許可を得た緑ナンバーの事業者以外が、お客様から運賃頂いてお乗せすることは禁止されています。
しかし、インバウンド観光客が訪日前に母国の配車アプリなどで白タクを予約するケースもあり、近年問題視されています。
見た目では分かりづらいものの、「白ナンバーの車で有料送迎を行っている」場合、それは明確に違法行為です。
それでも中国人利用客はゼロではない

中国人観光客=白タクというイメージが非常に高くなっていることは否定できません。
しかし、それでもタクシーにおける中国人利用客はゼロではないのです。つまりすべての中国人観光客が白タクを使っているわけではないという点です。
その事例をご紹介しましょう。
華僑やリピーターの存在
タクシー利用に関してはむしろ、華僑の方や何度も訪日経験のあるリピーターの方々は、日本のサービスクオリティの高さに信頼を寄せており、安心できるタクシーを選ぶ傾向にあります。
また、日本のタクシーの「清潔さ」「安全性」「接客力」は、海外でも高く評価されており、今後の巻き返しも十分期待できます。
中国人観光客減少→売上減少は影響なしの理由
2025年12月25日付けのニュースで、『中国の旅行業界関係者によると、高市氏の国会答弁後の11月後半、当局から大手旅行各社に日本行きのビザ申請数を従来の6割まで減らすよう指示があった。』という記事が各社から一斉に報じられました。
その後国内の観光地では確かに売上減少などの声が多くあがり、場合によってはホテルの廃業・規模縮小といった措置をとるケースも出てきているほど業界によっては深刻なダメージを追っております。
しかし、タクシー(特に都内)においてはこの度の日中関係の冷え込みによる影響で売上が大幅に減少という因果関係は正直なところ影響がないというのが見立てです。
その理由は至って明確であり、以前から空港・ホテル・観光地での利用において「白タク」を利用していることが挙げられます。
そのため、今更日本への旅行を控えて観光客減少になろうとも、至って影響はないというのが現状なのです。
タクシー運転手として抑えておくべき対応とは?

確かに政治的思惑や相互理解など、難しい部分はどうしても否めない昨今の日中関係ですが、人間対人間であることは決してどこの祖国であろうと関係はありません。
タクシーを利用してくださること、それはかけがえのないお客様であるのです。
おもてなし力が抑止力になる
これは世界各国どのパターンでも同じことが言えますが、言葉が通じにくいインバウンド客に対しても、笑顔や身振り手振りを交えた「おもてなし」こそが接客業における最大の武器です。
タクシーであれば、ドアを開ける時から接客は始まっていますので、尚更でしょう。
そうしますと『車の停止所作』、『車内からの会釈』、『タクシー車両が綺麗であるか』など、様々な面に気を向けることが大切であると思います。
お客様も「どんな運転手なんだろう?」「この人に目的地まで身を預けて平気なのだろうか?」という本能からタクシー運転手を見る事が多いです。
(中には全く興味を示さないケースもありますが。)
※細かいことですが、売上にも繋がりますし、トラブル防止にも繋がりますよ。
また、翻訳アプリや翻訳タブレットの導入、QRコード決済への対応といった準備をしておくことで、白タクとの差別化が可能です。
特に中国語を話せなくても、「安全・快適・正規運賃」であることを感じさせる対応が、インバウンド乗車獲得の鍵となります。
政治よりも“現場力”が未来を決める

確かに、政権交代や外交の冷え込みはニュースとして注目されます。
しかし、タクシー業界においては、「現場での対応力」こそが営業成果に直結するというのが本質ではないでしょうか。
日中関係の影響を恐れるよりも、接客スキル・配車アプリ対応・インバウンド向けの知識強化など、日々の積み重ねこそが大切です。
これからのタクシー業界はチャンスも多い

今後、日本を訪れる外国人観光客は再び増加が見込まれています。
政府も観光促進政策を積極的に展開しており、「観光立国」としての再出発が進行中です。
つまり、タクシー業界はこの流れに乗りやすい業界の一つなのです。
『配車アプリ導入で営業機会が拡大』『外国語対応ができるタクシー会社も増加』『夜勤や週末中心で高収入を得やすい環境』『人手不足による“選ばれる側”から“選ぶ側”への変化』といった具合に、タクシー運転手のお仕事は未経験からでもチャンスが多く、将来性も十分にある職業です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
確かに2025年後半の高市政権発足後、日中関係の冷え込みによって政治の動きや外交関係が不安定になることはあるかもしれません。
しかし、タクシーという仕事は人と人をつなぐ現場であり、日々の対応こそが信頼と実績(売上)を生みます。
「インバウンドが減っているから転職は厳しいかも…」と心配する必要はありません。
むしろ、こうした逆風の中でも選ばれる運転手は確実に存在しており、自分の努力次第でそれは実現可能なのです。
今こそ、“接客力”と“ホスピタリティ”が活きる仕事として、タクシー業界へ飛び込んでみてはいかがでしょうか?




