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タクシーの天敵『白タク』に要注意!インバウンドで違法横行も

コロナ禍が過ぎてインバウンド需要が跳ね上がりを見せた頃から巷のニュースでも頻繁にニュースの話題にもなったことで、一般的にも広く知られるようになった単語のひとつ「白タク」。
白いタクヤ君などでは決してなく、実態は違法をしているタクです。
今回は、白タクの現状とその背景、なぜ違法なのか、タクシー運転手ができる対処法、そして正規ドライバーとして働くことの意義を掘り下げていきます。
とかく筆者もタクシー営業中、頻繁に「明らかに白タクだろあれは!」という光景をよく目にします…!
「白タク」とは?

「白タク」とは、営業許可を持たずに、金銭(報酬)を受け取って客を運ぶ違法行為です。
タクヤ君ではありません(しつこい笑)。
本来、タクシー営業を行うには運輸局の認可を受けた事業者ライセンスが必要であり、車両は事業用の証明である緑ナンバーでなければなりません。
しかし近年、特に外国人観光客(インバウンド)を狙った白タク行為が、日本国内の各都市で再び目立ちはじめています。
これは、法令違反であると同時に、公道において正規の営業区域と運賃を基に営業を実施するタクシー業界にとって大きな営業妨害となっています。
白タクの 違法性とリスク

白タクを利用する人は、通常のタクシーに比べて「安い運賃で乗れる」というメリットや、白タク営業をする側も「個人が気軽に移動手段を提供する」といったメリットが語られがちです。
しかしこれこそが明確な違法行為です。
なぜ白タクは違法?
そもそもなぜ、白タク行為は違法なのでしょうか?
個人が運賃を徴収して乗客を乗せる行為が違法?…そうなんです。
これは我が国における道路運送法第4条・第78条により、運送業を営むには国土交通省の許可が必要という定義な為されています。法律によって制定されているのです。
そのため、上述でもお伝えした通り、緑ナンバーなしでの運送・営業行為は違法行為となるのです。
当然ですが、現金・電子マネー・ギフトなどを受け取ればその時点で「営業」と見なされます。
白タクは元々存在していた?

インバウンド需要の増加によって白タク行為が横行しているという文言が語るように、白タク行為は今に始まった事ではありません。
かつて白タクは国内でも問題視され、夜の歓楽街を中心に多く見られました(銀座・六本木・歌舞伎町など)。
その後、規制が強化されたことで完全ではないものの、一旦は沈静化しました。
しかし、近年再びその影が濃くなっている理由として、以下が挙げられます。
インバウンド観光客の増加
しつこいようですが、インバウンド需要における訪日観光客の増加は、白タク横行に拍車をかけているのは、今日否定できなくなっています。
その要因は以下が挙げられます。
・言語の壁やスマホアプリの普及により、一部の国の観光客が日本のタクシー・ハイヤーではなく母国語対応の個人(白タク)”を選びがちになっている。
・某国の「W〇Chat」などを通じた白タク紹介が横行。
また、現在空港で“母国語OK・アプリ決済OK”を謳う自称ドライバーと出会い、白タクを利用するケースも多数報告されています。。
空港やホテル周辺での“潜在営業”
空港やホテルは白タク行為の温床になっています。
昨今は大胆にもマイクロバスを使った白タクや、ホテルでも堂々を付け待ちをしている姿が見られます。
空港ロビーや駐車場で客引きを行う違法営業や、ホテル前での「送迎サービスです」と称する非許可営業も…まるで海外のリゾート地のようです。
海外では合法化となっているが…
白タク行為は海外では比較的メジャーであり、合法化しています。
UberやDiDiなどが実施するライドシェアサービスは一般ドライバーが登録し、お客様を実際に乗車させ、金銭の授受も行います。
その際アプリ上で評価なども実施されますので緊張感をもって業務に取り組むことができます。
日本国内においては、現在これらは白タク行為に該当するため禁止とされており、時間帯や天候等を考慮して一般車両と一般ドライバーがタクシー事業者の認可の下で運行する「NRS(日本版ライドシェア)」が実施されています。
いずれにしても日本国内で横行している白タク行為は、完全なる一般ドライバーが行っているため、明らかな違法行為です。
白タク営業手法とは?

現在、白タク業者はインバウンド需要を巧みに取り込み、以下のような形で営業しているものと思われます…。
一部憶測もありますのでご理解の上お読みください。
空港送迎
ネット予約で「日本人運転手ではない」個人による白タク送迎や空港駐車場での直接客引きなど…これらはタクシー営業に多大なる損害を与えています。
また、スマホ決済・母国語対応・定額料金の売り文句で信頼を装っています。
主に成田空港・羽田空港・関西空港などで横行しているものとみられます。
ホテル送迎・観光案内型
一部外国人がSNSや口コミで“日本人ドライバーより安心”と紹介し、独自の定額送迎+観光地ガイドを組み込んだサービスを実施する。
身内でもなんでもなく、個人ビジネスとして無免許、さらに保険未加入で実施することも…。
さらには民泊利用客が自宅前に迎車を希望し、個人宅からの配車(風)営業するというケースもあり、この場合は当然ながら通常の配車アプリは機能しませんので、白タクで対応します。
タクシーとの違いはここにある!
通常のタクシー運転手として働くというのは、単に“車で人を運ぶ”ことではありません。
運転のプロである以前に接遇のプロでもあるからです。
ここでは簡単に通常のタクシーと白タクの違いをまとめました。
もちろん、当たり前な内容なのですが…。念のためです!
【通常のタクシーと白タクの違い】
| 内容 | 通常のタクシー | 白タク |
|---|---|---|
| 営業許可 | 運輸局の許可済み | 無許可(違法) |
| ナンバー | 緑ナンバー | 白ナンバー(自家用) |
| 保険 | 旅客自動車運送専用保険あり | 個人保険対象外の可能性大 |
| 運賃 | 国の運賃制度に基づく | 任意設定(ぼったくり被害も) |
| 乗客保護 | 道路運送法に基づき厳格管理 | 無保証・無補償 |
つまり、通常のタクシーは「国の信頼」を背負っている公共の乗り物なのです。
白タクが横行してもタクシー運転手は「稼げる」?
白タクが横行されたら、商売あがったりだ!
タクシーなんてもう稼げないんじゃないか?
いやいや、とんでもありません。結論から言いますと稼げます。
白タクにはない強み
冷静に考えましょう。
タクシーは公共の乗り物です。
運輸局どころか国の認可を得て運行しています。
そしてそこには「運転のプロ・接客のスペシャリスト」がハンドルを握っているのです。
そもそもその時点で信頼の度合いが違います。
例えばタクシーの武器を挙げてみましょう。
- アプリ配車(GO・S.RIDE・DiDi)での信頼度が高い。無線配車も同様。
- 空港乗り場・ホテル連携・施設契約など“正規ルート”で安定した送迎
- 法的に堂々と営業できる=長期的に継続できる
- 顧客は安定している。地元リピーター多数。
- 法人チケット
俄然道に詳しい
タクシー運転手をしていて、まずお客様にお褒めの言葉として頂くのが「よく道を知っているのね」という言葉ではないでしょうか?
もちろん自分自身では「そんなことはないんですけど…」ですとか、「たまたま偶然」というシーンもあるでしょう。
しかしそれでも様々なエリアを一日数百キロ走行する訳ですから、嫌でも道には詳しくなります。
そして何より交通マナーでしょう。まともなタクシー運転手であれば交通マナーを遵守するはずです。と言いますからして当然です。
そこが白タク運転手との違いなのではないでしょうか。
土地勘はどうかわかりませんが、交通マナーが未熟なケースが明らかに多いと聞きます。
また、何よりタクシー運転手はプロの地理力と接客力で「安心感と信頼」は圧倒的に高いレベルなのです。
運転手自身で深追いせず、冷静に対応しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
白タクの横行はタクシー業界にとって脅威ですが、それは裏を返せば、「きちんと営業許可を得たタクシー運転手の信頼と価値が再確認される時代」が来ているということでもあるのです。
国内外の観光客が増加の一途を辿る今だからこそ“法的な安心感”と“プロ品質のサービス”をお提供できるのが、タクシー運転手だと言えましょう。
今こそ、“正規の道”を歩むタクシー運転手としての働き方を、始めてみませんか?





