

「タクシー運転手」という職業イメージが悪い理由とは?深く知ればこんな良い仕事はない!
世間一般的に客観視してみると「タクシー運転手」というお仕事はどう映っているのでしょう?
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利用する分には何分利便性の高い乗り物ですが、いざドライバーとして働くとなると、気が引ける…そんな方も多いのではないでしょうか。
ある日思わぬことで転職先を探さなくてはならなくなってしまったあなた。
様々な仕事を探しているうちに、広告で「タクシー運転手。年収〇〇〇万円可能!」というフレーズを目にし、気になりだします。
既にそこからドラマは始まっているのかもしれません。
なぜ「イメージ」が悪い?
「自分がタクシー運転手に転職?」
「こんな仕事しかないのか…」
「冗談じゃない」
「こないだタクシー乗ってさぁ…」
どうしてタクシー運転手はこうもイメージが悪いのでしょうか?
長時間労働
タクシーと言ったらまず世間一般で思い浮かぶのが、長時間労働であるという事でしょう。
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これは筆者もよくお客様が乗車し、「どれくらいの時間働いてるんですか?」と聞かれた際に応えると「うひゃ~長い…私にはできない」と言う回答をよくいただきます。
単純に『休みなし』、『寝るまなし』、『翌日も同じく乗務」 なんてことであれば…当然ブラックですし、運送約款や協定に著しく違反していますので…現状そのような事はあり得ません。
運転の仕事が故、事故違反のリスク
タクシー運転手の仕事は、車を動かすだけではありません。
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「旅客業」ですので、不特定多数のお客様がご乗車され、快適な時間を過ごしていただくことが一番ですので、運転には細心の注意を払わなければなりません。
対歩行者などの場合は例え歩行者側が悪かったにしても、運転手側の責任となってしまいますので注意が必要だからです。
それ故に事故や違反のリスクを考えながらの運転となるため、気が張るのは致し方ないと言えます。
お客様対応
タクシーもそうですが、接客業は不特定多数のお客様のお相手をしなくてはなりません。
そんな仕事に身を置いているとある日仲間から「嫌なお客さんとかいない?いるでしょう?」と聞かれることもあると思います。
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接客業をする中でよく「お客様対応」と言われる分野は何でしょうか?
タクシー運転手は、法人といえどハンドルを握れば基本的に自分一人で仕事をする「個人事業主」に近い感覚になります。
それ故にご乗車されるお客様に対してはある程度まではタクシー運転手ご自身で対応をしなくてはならない部分が出てきます。
タクシー運転手はお客様を選ぶことはできませんので、普段のお友達付き合いのような気の合う人ばかりが乗るとは限りません。
様々なお客様に対しての対応が求められるのです。
道が分からない
タクシー運転手になるのに際して一番不安な材料の一つとして挙げられるのが『道が分からない』という点がよく上げられます。
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いくら研修で地図やスマホを片手に道の勉強をしたとて、言ってみれば「机上の空論」であり…実際にタクシー営業に出てお客様から行先を告げられると舞い上がってしまうことは初めのうちは致し方ないのです。
誰だって最初は道が分からないタクシー運転手ばかりですし、恥じることはないのですが。
テレビやSNSの影響
テレビやSNSのニュースでタクシーに関わることは善悪関係なしに様々飛び交います。
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たとえば強盗に関しては動画付きでニュースで放映されたり、悪態を付く利用者のドラレコを公開したりと非常に生々しい映像が流れますよね。(ただ100%の確率で検挙されていますが…)
筆者含めタクシー運転手の皆さんは研修時に「詐欺被害」や「当たり屋」を防止するための動画は見せられるのですが、それでも気分的には「嫌だな」と思ってしまう位です。
ですのでまだタクシー業界への転職を悩む方にとって、このようなテレビやSNSを通じて飛び交う悪いニュースを目にするのは決してプラスではないと言えます。
但し、ニュースで流れるような場面に遭遇することは滅多にないです。
ましてや強盗なんて宝くじを引く確率くらいだと思って頂いても良いと思います。
もちろん用心に越した越した事はないですが…。
過去に悪い対応をされた
お客様がタクシーに対して良い印象を持っていないことは良くあります。
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話を聞いているとほとんどの方が「過去に悪い対応をされた」という話でした。
そのような印象もあってか、「タクシーの仕事だけはしたくない」という人もいらっしゃいますし、お客様によっては、悪態をつかれたタクシー事業者を覚えており「〇〇自動車のタクシーだけは乗りたくない」という事も珍しくありません…なんとも情けない話です。

でもあなたはすごく対応良くて安心した。よかったわ。

悪質な酔っ払い
お酒によって気分が良くなることは人間ですからよくあることだと思います。
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しかしながら、それが度を過ぎて奇声を発したり、時に暴れてタクシー運転の妨害になるような事は断じて許られることではありません。
上述でもお伝えしましたが、このようなケースが毎乗務続くことはないですが、お酒を飲まれた方を送迎することはタクシー運転手の仕事をしている以上当然ながらあります。
いつもとは違い理性が揺らいでいることも考えられますので用心して運転しましょう。
また、気分が悪そうな場合は必ず都度確認の声掛けを実施し、エチケット袋などの手渡しや途中トイレ休憩やコンビニなどへ寄ることも検討しましょう。
無賃乗車や強盗
先に結論を申し上げますが、これらは犯罪です。
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例えばお金がなくて家から取って来ると言い、荷物だけタクシー車内に置いていたとしても、その荷物を置いたまま行ってしまう可能性があるからです。
強盗が発生した場合は、直ちに緊急ボタンを押してSOSを表示し、身の安全を確保し、警察へ通報しましょう。ドライブレコーダーに映っていますので後ほど身元は判明します。

犯行の現場を照らし合わせると…犯人は大体ソワソワしてるとのことです。
僕も気を付けます!
その他
どうしても対人間ですので合う合わないはあるかもしれませんし、お客様のリズムに合わない接遇をしてしまうこともあるかもしれません。
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タクシー運転手の体調や感情はお客様に対して全く関係のないことですので、営業している以上は責任を持って対応しましょう。

しかしそれほど接遇次第でお客様の対応は変化しますので注意なのです。
実は…結構良かった!タクシー運転手の仕事
イメージが悪いものというのは、得てして噛み砕いてよく調べてみると「実はこうだったんだ!」という気づきが多く結構良いじゃないか!…という着地になることがよくあります。
タクシーのお仕事も例外ではありません。
では実際にどのあたりが良いのでしょうか?
社会貢献度が高い
タクシーは目的地までたどり着きたいお客様をダイレクトに結ぶ公共交通機関です。
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鉄道やバスもその役割はありますが、一定の駅や停留場に大勢のお客様を運ぶのでなく、「目的地まで」、お客様一組一組をお乗せるのです。
お客様の乗車目的は様々で、通勤通学や通院、観光その他多岐に渡ります。その移動手段を賄っているタクシーは社会貢献度が非常に高い仕事と言っても過言ではありません。
感謝をされる機会が圧倒的に多い
「変なお客様」、「嫌なお客様」が多い…という印象が先行しがちかもしれませんが、実際にタクシーにご乗車される多くのお客様はお降りになる際、「助かりました」「ありがとうございます」という感謝の言葉を述べられます。
日常の仕事で、これほどにお客様から感謝をされる機会の多いお仕事がどれだけあるでしょうか。

あと、自分はタクシーに乗車される際にお客様の方から「お願いします」と言ってくださることも驚きました。

頑張った分だけ「成果=給料」に反映される
タクシー運転手のお仕事は完全固定プラス出来高制ではありません。
ご自身が頑張った分だけ、「成果=給料」に反映されるお仕事です。
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ですので、しっかりと営業回数をこなせばこなすほど、稼ぐ事ができましょう。
厳密に言えば完全歩合制ではなく『基本給』が存在するのですが、実質は歩合制で稼ぐ仕事ですので、東京都内でしたら隔日勤務の場合、平均で実車率50%以上・35~45組のご乗車・270km~300kmの営業㌔数でハンドル時間を回せばしっかりと成果が出るのではないでしょうか。

しっかりと休みも取れ、自分の時間も取れる
上述で「長時間労働」とお伝えしましたが、確かに隔日勤務の場合は1乗務における拘束時間は長時間(平均19時間~21時間拘束)であります。
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これは数字上ではそのようになりますが…実際のところ蓋を開けてみると「うち3時間休憩」「残業プラス3時間は任意」となっております。
さらに乗務は早朝8:00に出庫したした場合、帰庫するのは夜中2:00~5:00の間となりますが、乗務終了後は『明け番』と言いお休みになりますので、非常にメリハリが取れて体を休めることもできます。
空いた時間には、自分の趣味の時間を謳歌したり、或いは家族がいる方は家族の時間を作れたり家事を手伝えたりと、非常に効率的に使う事ができます。
中一日空いてまたタクシー乗務がはじまり、公休日も存在しますのでタクシー運転手のお仕事はあまり知られていませんが、稼げて休めるレアな求人なのです。
「仕事環境」は天候に左右されない
タクシーのお仕事は天候に左右されずに仕事が出来ることも魅力です。
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雨の日や雪の日は濡れずに、風の日は吹かれずに、寒い日は暖房、暑い日は冷房が効いている車内で営業ができますので非常に快適です。
唯一天候に左右されるのならば「売上」でしょう。
雨の日は多くの方がご乗車されますが、雪の日は激しくなってしまうと営業そのものが出来なくなる可能性もあります(スタッドレスタイヤを装着しているケースが多いですが)。
道がわからなかったら…
タクシー運転手になりたての未経験者もそうですが、現役のタクシー運転手でさえ道が分からない地域に行く事はよくあることです。
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お客様からの依頼で、同じ東京都内でも「行ったことがない地域」へ行く事も珍しくありません。
そこでお客様を降ろした直後に、別のお客様がお乗りになった場合は行先を告げられても正味どうしたらいいかわかりませんよね。
そのような場合の方法は至ってシンプルで『道を教えてください』と素直に開き直りましょう。
そうすればお客様も教えてくれますし、住所をお伝えしてくれることもあります。

まとめ
いかがでしたでしょうか、どうしてもタクシー業界のお仕事というのは様々な情報がテレビやSNS経由で事件や事故がらみが多く、良い印象が生み出しにくいと思います。
それでも実際にご自身の目と耳とあらゆる五感を駆使してタクシー業界やタクシー運転手に関わる情報を調べ、そして確かめてみてください。
「実はこうだったんだ」という事象が多く出てくると思いますし、非常に社会貢献度も高く、誇れるお仕事であることは間違いありません。
また、何よりご自身の頑張りによって成果を生み出すことができますので、是非タクシー業界に少しでも興味を持たれた方は飛び込んでみてはいかがでしょうか。