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名古屋市内タクシー会社が12月より値上げ開始

名古屋市内タクシー会社が12月より値上げ開始

物価上昇には様々な理由がついて回ります。
小麦粉や乳製品などの食料が良い例ですが、公共交通機関も「燃油関連」の高騰となれば価格の上昇は避けて通れませんし、消費者にとってそれはそれはもう頭の痛い話です。

とりわけ経営側としてもどう利益を取るか、顧客を離さずに囲い込んでいくか、悩みはつきません。
今回はタクシー業界を近年揺るがす「値上げ」の話題を今回はお届けします。

名古屋市内タクシー会社が12月より値上げ開始

愛知県名古屋市を中心に営業区域を展開するタクシー営業エリア「名古屋交通圏」(17市区町村)がこの度、令和4年12月5日から初乗り運賃の値上げを開始しました。

名古屋交通圏を管轄する中部運輸局によると、初乗り運賃は以前の『450円』から新たに50円増の『500円』に引き上げられました。

また、初乗りの距離は1.31kmから1.11kmに短縮され、以前の加算運賃は231m毎80円から、232m毎90円へ変更となりました。

名古屋市内のタクシー会社が運賃値上げを実施

コロナ禍の影響

名古屋交通圏を管轄する「名古屋タクシー協会」では2年前に発生した新型コロナウイルス感染拡大時、売上が一時以前の3割まで落ち込む事態がありました。

もちろんこれは名古屋市に限った話ではないのですが、コロナ禍に行った感染拡大防止策の設備投資や燃油価格高騰などの要因が多く、タクシー運賃値上げの原因は利用客の一時的な減少だけではないことが伺えます。

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全国的に増加の「タクシー料金値上げ」

タクシーの運賃は全国の地域ごとに決まっております。
運賃の値上げを行うには国土交通相の認可が下りなければ敢行はできません。

そのため運賃改定は、申請した地域のタクシー事業者が保有する『タクシーの車両台数』が、地域全体の7割を超えると、国土交通省が値上げの検討に入るというシステムになっています。
(中部運輸局によりますと、名古屋交通圏の申請割合は9割に達していたとのことです…。)

全国的にタクシー運賃値上げは増加しており、東京都もこの秋11月に行ったばかり。
その他、北海道・岡山県・仙台市(宮城県)・鹿児島県なども初乗り運賃値上げの申請を行っており、早ければ来年にも実施される見込みです。
また、余談ですが海の向こうでは韓国ソウルのタクシーも同様の理由からタクシーの深夜料金値上げを行っているそうです。

タクシー都内初乗り運賃11月から値上げ開始へ。

ここ数カ月は利用客が増加

運転手の待遇改善も含め、値上げは仕方ない部分かもしれません。
お客さまからも、歓迎はされなくとも「理解はできる」という声も多かったとのこと。

実は名古屋市内のタクシー事情はここ数カ月でコロナ前と比べ8割ほどにお客様の流れが戻り始めているということ。東京都内でも先般、ようやくタクシーの営業収入がコロナ前を上回ったりと、明るい兆しがしっかりと浮彫りになっていることから、運賃値上げがもたらす影響は決して悪いことだけではないという事もうかがえます。

この先は年の瀬でタクシー需要が増加する中、コロナ禍もようやく落ち着き日常の生活を少しずつ取り戻しつつある今、なんとかお客様にもご理解を頂き、快適に過ごせるタクシーをご利用いただきたいものです。

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これから~Opinion~

全国規模で行われつつあるタクシー料金の運賃改定(値上げ)ですが、東名阪の「名」である名古屋となれば国内有数の都市でもあるため、総じてタクシー需要も多いエリアです。

今年6月にもタクシーメディア内で特集させていただき、「年内の値上げ見込み」と書きましたが、いよいよギリギリでこの12月に開始となりました。
先般、名古屋タクシー初乗り運賃値上げ開始の様子はテレビでも放映されておりましたが、その際に名古屋タクシー協会会長のお話しで「タクシードライバーもエッセンシャルワーカーとしてコロナ禍でも働いている」という重みのある言葉が非常に胸に刺さりました。

『タクシーの台数の比率に対してドライバー数が足りない』ことがひとえに人材不足を発生させているのですが、コロナ禍の影響を筆頭に様々な要因で発生した今回の初乗り運賃値上げは、ユーザー側の利用を途絶えさせない事業者・協会側の努力ももちろんです。
さらに現場のタクシードライバーにも目を向け、彼ら彼女達にとっても士気を高める手を打たなければ業界は繁栄していかないのではないかと感じた次第です。

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