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タクシー年末大忙し!思いもよらぬ犯罪に巻き込まれないための防止策とは?

タクシー年末大忙し!思いもよらぬ犯罪に巻き込まれないための防止策とは?
カケル
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この記事を書いた人:『転職道.com』の転職相談スタッフ・『タクシーハローワーク(TSJ)』では職業紹介管理者としてタクシー求人コンサルタントを7年従事したのち、東京特別区地理試験・法令試験取得者/二種免許保持。数々のタクシー企業担当者との取材や求職者との会話で最新の情報を記事化しています。自らも地理試験・法令試験・二種免許を保持し都内タクシードライバーとして勤務もしているまさに『二刀流』です。タクシーバイト企画当時もJPN TAXI及びクラウンで史上最速の平日&週末の両日連続で営収10万円を5度達成!現在では特別区売れっ子タクシー運転手としても活躍中。

タクシー年末大忙し!思いもよらぬ犯罪に巻き込まれないための防止策とは?

タクシー業界において、年末(11〜12月)はまさに書き入れ時!忘年会、帰省、観光、各種イベントなどでタクシー需要が一気に高まるシーズンです。
歩合制で働くドライバーにとっては、最も稼げる絶好のタイミングでもあります。

しかし、その一方で注意が必要なのが「犯罪リスク」や「予期せぬトラブル」でもあります。
年末の浮かれたムード、酔客の増加、深夜帯の稼働増加などが重なり、犯罪や事故、詐欺被害のリスクが潜在的に高まる時期でもあるのです。

特にタクシーは「密閉された空間で乗客と1対1になる場面が多い」ため、乗務員自身の危機管理能力が問われます。

カケル
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今回はタクシー運転手が年末に注意すべき犯罪・事故のリスクとその防止策について詳しく解説していきます。

そして、タクシー運転手へ転職を考えている皆さんに向けて、タクシーは“恐れず挑戦できる”仕事であることをお伝えしますよ!

なぜ年末に“犯罪リスク”が高まるのか?

年末のタクシー業務は、多くの要因が重なって通常よりもハイリスクな状況になりがちです。
では、いったいなぜ年末に“犯罪リスク”が高まるのでしょうか?

忘年会シーズン=酔客の増加

12月は特に「深酒」をした人が増え、タクシーを利用する機会も多くなります。
忘年会や仕事納め、それ以外でも大なり小なりイベントや飲みの席が頻繁な時期になります。

そのため、いつも以上に酔った勢いでの車内トラブル、暴言、暴力行為、支払いトラブルなどが発生するリスクも上昇します。

年末年始の特有の高揚感

「年の瀬」という独特のムードから、お客様の気が大きくなっていたり、深夜帯に出歩く人も増える傾向があります。

深夜や早朝の乗車は、犯罪に巻き込まれるリスクも高くなりやすいのです。

カケル
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ただテレビのニュースで放映するようなレベルの悪質な乗客というのは、滅多にいませんが…

繁忙期=乗務員の注意散漫

この時期、タクシー会社でも点呼時や月1回開催の出番会でよくこの話題が出ます。

年末という時期は忙しさゆえに1件1件の接客に集中しきれず、「いつもなら気づけた異変」に気づけないというケースが発生しやすくなります。

犯罪の兆候や不審な挙動に対してアンテナが立たなくなることが、リスクを呼び込む原因になります。

過去にあった“タクシー関連の犯罪”事例から学ぶ

犯罪の発生件数自体は非常に少ないとはいえ、タクシーに関わる事件がニュースで取り上げられることは少なくありません。

確かに必ず発生するという訳ではないです。
但し念には念を入れ、あらゆるリスクに対応できるために、過去の事例から学ぶ事はとても大切です。

料金トラブル

「払えない」「高い」などと因縁をつけて支払いを拒否し、暴言・暴力に発展するケース。
特に酔客に多く、深夜帯・繁華街・一人乗車時に多発しています。

また、「財布を落としてしまった」などと言った寸借詐欺も発生しやすい時期です。
怪しいと思ったら、まず角が立たないように実車前に料金の説明をお客様の「目を見て、体を向けて」対応しましょう。

車内での窃盗・盗難行為

スマホや財布を車内に“わざと”置き忘れ、後日「返せ」と因縁をつける悪質な手口も過去の事例ではありました。

また逆に、運転手の隙をついて荷物を盗まれるケースも報告されています。

カケル
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これらは新人研修などでも必ず実施する事例のお話しでもあると思いますが、徹底した防止に努めるために普段からお客様がご乗車の際は細心の注意を払いましょう。

性的嫌がらせや言葉の暴力

特に女性ドライバーに対してのセクハラ・不快な発言といった被害もゼロではありません。

年末は「深夜・短距離・お酒絡み」が増えるため、特に注意が必要です。
昨今は地域によってはカスタマーハラスメントの条例が敷かれているケースもあるため、場合によっては毅然とした対応を行い、著しい迷惑を被られた場合は警察へ相談&営業所へ報告をしましょう。

犯罪・トラブルを未然に防ぐためにできる具体的対策

それではタクシー運転手が年末に犯罪・トラブルを防ぐにはどうすれば良いのでしょうか。
このまま黙っておいそれと温床になってしまう?そんな訳にはいきませんよね。

もちろん絶対に防がなくてはなりませんし、遭遇もしたくありません。
しかし、ハンドルを握りお客様にご乗車頂いてタクシー営業を行っている以上は、あらゆるリスクを考える事は至極当然でもあります。

車内防犯カメラの存在を“見せる”

トラブルを未然に防ぐポイントは「事前の察知・適切な距離感・冷静な対処」です。
その中でも大きな役割を果たすのが防犯カメラ(ドライブレコーダー)です。

最近のタクシーには、ドライブレコーダーや車内カメラが設置されているケースがほとんど。
「録画しています」と分かるステッカーやモニター画面を目立たせることで、犯罪抑止効果が高まります。

カケル
カケル
最近はいろんな場所に電話すると最初のアナウンスにも「この通話は応対品質向上のため録音させて頂いています」というガイダンスが流れますよね。

あれも形式的には「応対品質向上」と言っていますが、実際のところは万が一の抑止力でもあるのです。

丁寧かつ毅然とした接客対応

接客の重要なコツとして、たとえ口調が優しくても、毅然とした態度を保つことがポイントでしょう。

「どちらまで行かれますか?」「申し訳ございません。渋滞でいつもより時間がかかりますがよろしかったでしょうか?」など、明るくハッキリと話すことでトラブルの種を摘むことができます。

お客様の“第一印象”は重要

お客様が乗車時に挙動不審なそぶりであったり「少し怪しいな」と思った場合は…服装、挙動、視線、話し方などはしっかりと把握しておくことが大切です。

無理に会話をせず、必要最低限のやりとりに留めるのも大切です。

緊急ボタンや無線の確認

タクシーには非常時に使える無線や緊急ボタンが備わっています。
緊急時に押すと行灯が赤く点滅し、無線でも一目散に緊急を知らせます。

カケル
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ただし緊急ボタンは安易に使用することはできません。

さらに誤ってボタンを押してしまったという事も稀に見られますので、もしタクシー営業中に他のタクシー車両の行灯が赤く点滅してしていたら、状況を確認し「緊急ボタンが付いてますが大丈夫ですか?」と一声かけましょう。

もちろん、本当に緊急の際やSOSの場合もありますので、その際は迷うことなく警察を呼びましょう。

いざという時に焦らないために、位置や使い方を定期的に確認しておくことが必要です。

事故を防ぐことも“犯罪抑止”につながる

犯罪と事故は無関係に見えて、実は密接に関係しています。
運転のミスや事故によってお客様が逆上したり、トラブルに発展するケースもあるからです。

 安全運転=車内トラブルの予防

急ブレーキ、急発進、カーブでの揺れなどは、酔った乗客や神経質な乗客の怒りを誘発するきっかけになります。

静かでスムーズな運転が“防犯運転”にもつながると心得ましょう。

車内アナウンスや丁寧な声掛け

「安全運転でお送りしますので、ご安心ください」など一言あるだけで、安心感と信頼を与えやすくなります。

また、もしお客様が道案内をしていただいた際は「承知しました」「かしこまりました」と丁寧なレスポンスをしましょう。それで100歩譲ってツッコミを入れる人がいたとしてもクレームを入れる人はいないはずです。

結果として、不要な緊張感や攻撃性を抑えることができます。

それでも起きた場合

完璧に防いでいても、100%トラブルが起きないとは限りません。

ではいざという時、タクシー運転手が取るべき行動とはどういったものはあるのでしょうか?

焦らず冷静に距離を保つ

暴言や怒号があっても、絶対に言い返さない・そして感情的にならないことが大切です

さらに運転に支障をきたすようなレベルに最悪なった場合は車を止める、警察を呼ぶ(或いは警察の前までしれっと走って止める)など、段階的な行動を冷静に判断することが大切です。

会社や営業所にすぐ連絡

法人タクシーの場合は、万が一トラブルなどが発生した場合は必ず営業所へ状況を報告しましょう

無線連絡や携帯電話(スマートフォン)を通じて助けを求めることも可能です。
無論、精神的にも大変な状況下であることはお察ししますが、ここは本当に冷静な対応が求めらる瞬間のです。

記録を取っておく

日時・場所・状況などの記録を取っておくことは後日、証拠として必要になることもあります。
記憶が鮮明なうちに、簡潔に状況をメモしておくクセをつけておくと安心です。

但し現在はドライブレコーダーがありますので、車内の様子は確実に残ります。
自分自身の身をあらゆるリスクから守るためにも、常日頃から安全運転と丁寧な接客を心がけることが大切です。

“接客の力”がトラブルを防ぐ!

しつこいようですが、タクシー運転手という職業は防犯の観点からも「接客力こそ最大の武器」と言っても過言ではありません。

丁寧な言葉遣い、柔らかい口調、誠実な対応は、乗客に安心感と信頼感を与え、攻撃的な心理を未然に抑える力があります。

安全と安心を届ける

タクシーは公共交通機関であり、乗務員はその“顔”です。

安全運転+丁寧な接客によって、「またこの人にお願いしたい」と言われることもあります。

事実法人タクシーにおいて「指名制度」は原則存在していないルールなのですが、お客様から「“また”お願いします」と言われるのは本当に嬉しい瞬間なのです。

稼げるだけじゃない

タクシー運転手は歩合制で稼げる仕事です。

それこそが醍醐味であるのはもちろんなのですが、「人の命を守る交通サービス」という社会的役割・やりがいも大きい職業です。

年末の忙しい時期だからこそ、その使命感が輝きます。

カケル
カケル
一年で忙しい時期ですが、終わったあとの早朝に燦燦と輝く太陽は気持ちが良いですし、乗務が終わった後のやりがいは何とも言えないものがありますよ。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

年末はタクシー業界にとって最も稼げるチャンスが広がる一方、犯罪やトラブル、事故のリスクが潜んでいる季節でもあります。

しかし、それらは事前の準備と日々の意識、接客力によって十分に抑止・回避が可能です。
車内カメラの活用、安全運転の徹底、声掛けと接客で空気を和らげる、トラブルの兆候を察知、冷静な対応、これらをしっかりと身につけることで、未経験者や転職希望者でも安心して始められる仕事になります。

タクシー業界は、“人と街を安全につなぐ”公共性の高い職業。
プロドライバーとしての誇りと責任感が、やりがいと収入につながる世界なのです。

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