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タクシー×整備★衝突安全装置ってどうなってるの?『自動車特定整備事業』について解説

タクシー×整備★衝突安全装置ってどうなってるの?『自動車特定整備事業』について解説
カケル
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この記事を書いた人:『転職道.com』の転職相談スタッフ・『タクシーハローワーク(TSJ)』では職業紹介管理者としてタクシー求人コンサルタントを7年従事したのち、東京特別区地理試験・法令試験取得者/二種免許保持。数々のタクシー企業担当者との取材や求職者との会話で最新の情報を記事化しています。自らも地理試験・法令試験・二種免許を保持し都内タクシードライバーとして勤務もしているまさに『二刀流』です。タクシーバイト企画当時もJPN TAXI及びクラウンで史上最速の平日&週末の両日連続で営収10万円を5度達成!現在では特別区売れっ子タクシー運転手としても活躍中。

タクシー×整備★衝突安全装置ってどうなってるの?『自動車特定整備事業』について解説

タクシー会社に就職し、いつものように何気なく当たり前に車両に乗って営業をする…これは実は当たり前ではないのです。

タクシーは厳格な整備を常日頃から実施した上で公道で営業することが出来るのです。
そりゃそうですよね。働く皆さんだけでなく、お客様がご乗車するのですから!

今回は、タクシーとも深い関わりを持つ「自動車特定整備事業」を紐解いて解説していきます。
普段営業で使用する「タクシー車両」から、昨今のJPN TAXIを筆頭に次世代のタクシー車両には照準的に搭載している「衝突安全装置」…それに必要な「特定整備」について、タクシー業界へ転職を検討されている方にも、現役ドライバーの方も必見です!

そもそも『特定整備』ってなに?

近年、タクシー車両における安全性能の向上が求められる中、「衝突被害軽減ブレーキ」や「自動ブレーキ」といった先進運転支援装置の搭載が当たり前になってきました。

しかし、それに伴い車両の整備内容も大きく変わってきているのをご存じでしょうか?

これらはもちろん、タクシー車両に限った話ではありませんが、安全を担保するためにタクシー業界では全国的に必須となって来ることは間違いないでしょう。

特定整備制度の背景

「特定整備制度」は2020年4月、自動車整備の制度が大きく見直されたことによりスタートされた制度です。

これは、自動ブレーキなどの衝突安全装置やカメラ・センサー類を正しく整備するための制度で、従来の「分解整備」に加えて新たに定義されたものです。

カケル
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これらは、センサーのズレや誤作動が事故に直結するため、国の認証を受けた「特定整備事業者」でないと取り扱えません。

該当する整備

「特定整備制度」に該当する整備内容は主に自動ブレーキや車線維持支援装置の調整・交換、フロントガラスに取り付けられたカメラの脱着、衝突安全装置などのレーダー・ミリ波センサーの校正作業レーダー・カメラの角度調整(エーミング)などです。
エーミングはセンサーの「目線」を正しく設定し直す作業ですので、必要不可欠な工程なのです。

カケル
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従来の「分解整備」は、エンジンやブレーキなど機械的な部分を扱う整備でした。

タクシー車両と衝突安全装置の関係

タクシーはどうしても事故を起こすと目立ってしまいます。

全体的な事故件数を見渡すと、タクシーの事故が多いと言われるのは「法人のため目立つ」「歩合制で必死になりすぎてしまう」「休憩をとっていない」と言った点が挙げられます。

その中で衝突安全装置などの特定整備が施された現在、タクシーも含め自動車の事故自体が大幅に減少しているのは事実でもあります。

それでは、タクシー車両と衝突安全装置の関係とはどのようなものなのでしょうか?

衝突安全装置はタクシーでも標準装備へ

最近では、タクシー車両にも衝突被害軽減ブレーキ(AEB)車線逸脱警報装置(LDWS)、誤発進抑制制御機能、自動駐車アシストなどと言った先進装備が搭載されるケースが非常に増えています。

現在都心部を含め全国的に多く普及しているトヨタ社のJPN TAXIはその最たる例ですが、その他タクシー車両として運行しているプリウスやシエンタ、アルファードやハイエースといったワンボックスカー系などにも搭載しております。
※一部クラウンにも搭載。

なぜタクシーに必要なのか?

改めてにはなりますが、なぜタクシーに衝突安全装置は必要なのでしょう。

それはタクシーは一般乗用車に比べ走行距離が圧倒的に長く(隔日勤務の1乗務で200km~300km)、万が一のリスクが高いことが挙げらます。

また、当然ながら旅客業ですのでお客様を安全快適に目的地までお届けする義務があります。その機会が多いことも因果していると言えましょう。

カケル
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さらにはタクシー事業者としての社会的責任、乗客のみならずタクシー運転手への安全管理が求められるという点も忘れてはいけません。

タクシー業界と整備の今後

実はタクシー業界ではこれまで自社の営業車両を整備する際、外注するケースが多くみられました。

しかし、整備事業者自体は、最近ですと自社内に「特定整備認証工場」を持つ会社が増加しており、タクシー運転手のみならず整備士の資格保有者を積極採用中の会社も見受けられるようになりました。

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カケル
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クルマが進化している分、ハンドルを握るタクシー運転手にも最低限の車両知識が求められる時代かもしれません。

特定整備と安全運行は直結!

タクシー車両は特定整備をしっかり実施することで、突然の誤作動や停止を防ぐことができます。

また、タクシー車両のトラブルによる営業損失を回避することや、衝突安全装置の作動により乗客・運転手双方の安心感が生まれるという点も大きいでしょう。

とは言え、タクシー運転手にとって一番大事なのは目視です。全てを衝突安全装置やバックモニターだけで賄うのは大変危険です。

整備への理解

タクシー運転手をこれから転職して目指す際、やはり肝に銘じておいてほしいのは…タクシー運転手という職業はプロドライバーであるという点です。

すなわち営業面はさることながら安全運転へ直結する専門性を高めたいという事であれば「整備に対する理解」は大きな武器となるでしょう。

カケル
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例えば…点検時の異常報告が的確になる、小さな車両トラブルにも冷静に対応できる…てという点ではないでしょうか。

これらは営業時にタクシー車両に対する責任感・意識が高まるという部分では大切になってきますよ。

整備面の整ったタクシー会社へ転職するなら…

タクシー会社というのは、サーキットに例えるなら「ピット」です。

であるならば、専門性の高い整備面が整う場所をベースに営業することは、相当な安心感にも繋がることでしょう。

まぁ…ピットといっても走るのは公道ですから、くれぐれもサーキットみたいに本当にスピード出したりドリフトしたりしてはいけませんよ笑。

整備体制を見極めるには?

転職先を選ぶ際には、次のようなポイントを確認しましょう。

①特定整備認証工場があるか?②自社で整備士を抱えているか?③車両更新や安全装置導入に積極的か?…などです。
さらにもう少し丁寧であれば、簡潔でも良いので「所属するタクシー運転手」に整備知識もしくは車両の仕組みを教えることも大切でしょう。

カケル
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世の中では「タクシー運転手さんは皆、道とクルマに詳しい」というイメージがありますから。

※筆者でさえ、めちゃ詳しいわけではないです。

安全管理に力を入れるタクシー会社は◎

タクシー会社を選ぶ基準でもしかすると…いや確実に最重要なのは「安全管理に力を入れている」という点です。

無論、言ってしまえば当たり前のことではあるのですが…安全管理・設備が整っている会社というのは面接はもちろんのこと、」会社見学・説明会に行けば一目瞭然ですし、お仕事をする上でかなり大事なキーポイントになりますから、臆せずにどんどん聞いて良い事案ですよ。

実際に安全設備が整っているタクシー会社は、車両トラブルが少なく運転手のストレスも少ないですし、教育体制がしっかりしていてプロのドライバーとして成長できる傾向があります。

カケル
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大前提としてタクシー会社は「安全第一」が企業文化として根付いているので、基本は安心してください。

まとめ:整備と安全意識がタクシーの未来をつくる

いかがでしたでしょうか?

タクシー業界においても、クルマの進化とともに「整備」の役割はますます重要になってきています。
特に「特定整備」の分野では、ただ車を走らせるだけではなく、先進的な安全装置を理解し、適切な安全を維持するための管理を行うことが求められます。

タクシー業界へ転職を考えている皆様は、車両整備や衝突安全装置についての知識を少しでも身につけておくと、採用後のタクシー運転手として営業した際も大きくプラスに働くことでしょう。

そして、配属するタクシー会社がどのくらい「安全面」と「整備面」に注力しているかを見極めることが、長く安心して働けるかどうかのカギとなりますよ。

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