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タクシーの自動運転化が世界で進む…日本のタクシードライバーの仕事は平気?

タクシーの自動運転化が世界で進む…日本のタクシードライバーの仕事は平気?

タクシーの自動運転化が世界で進む…日本のタクシードライバーの仕事は平気?

クルマが運転手という「人」を乗せずに公道を走る…どこぞのアニメで描いた未来がいよいよ現実になってきています。

確かに一般乗用車であれば願ったり叶ったりかもしれませんが、お仕事という面を考えますと「ドライバー需要」という観点で見ますと、この“自動運転化”は歓迎すべくことなのでしょうか?

トヨタと小馬智行(Pony.ai)、レベル4自動運転車の量産合弁会社を設立

国内最大手自動車メーカーのトヨタ自動車と、自動運転技術を手がける中国の小馬智行(Pony.ai)は、システム主体の運転となる“レベル4”の自動運転車量産を目的とする合弁会社を今年度内に設立することとなりました。
この合弁会社には中国の広汽トヨタも参画しており、3社が加わる形となります。

タクシーニュース『アジア各地でタクシー自動運転』の波【2022年06月22日】

資本金は10億元(日本円に換算すると約198億円~199億円)以上とのことで、トヨタ自動車と広汽トヨタ(GTMC)が50%、そして残りの50%を小馬智行(Pony.ai)が出資します。

完全なるロボタクシー

今回設立予定の合弁会社は、トヨタが誇る自動車技術と広汽トヨタ(GTMC)の量産能力に加えて、小馬智行(Pony.ai)が持つ自動運転技術と自動運転タクシーの運行ノウハウを融合させます。

小馬智行(Pony.ai)がトヨタ製のBEV(バッテリー電気自動車)の供給を広汽トヨタ(GTMC)から受け、システムが主体となって運転が行なわれる「レベル4」の自動運転に対応させていく構えです。
また、今後は小馬智行(Pony.ai)の自動運転タクシー用ネットワークプラットフォーム「PonyPilot+」上で運用を行う予定とのことです。

これにより今回の合弁会社では、ドライバーなしで走行可能な「完全なるロボタクシー」の量産と大規模展開を目指していきます。

アメリカでも完全無人タクシー事業拡大の動き

とかく中国で無人運転の波が押し寄せてきたと思いきや、太平洋を横断しアメリカでも完全無人タクシーの動きが広がっています。

世界中で押し寄せる自動運転の波は、今二つの大国を席巻しつつあるのです。

カリフォルニア州で2社が営業許可

アメリカ・カリフォルニア州当局は現地8月10日、グーグル傘下のウェイモとゼネラル・モーター(以下:GM)傘下クルーズの2社に、同州サンフランシスコ市内において自動運転車による「完全無人タクシー」の24時間営業を認可しました。

ウェイモでは、営業許可から数週間で、有料の無人タクシーサービスを市内全域で始める声明を出しています。

問題も相次いでいる…

しかし、アメリカの完全無人タクシーは安全面で早速問題が相次いでいる…というニュースも飛び込んできています。

GM傘下クルーズの自動運転タクシーは8月17日に消防車と激突し、乗客が負傷する事故が発生しました。

クルーズは18日、ソーシャルメディアで事故について説明。「当社の車両の1台が青信号で交差点に進入し、現場に向かう途中とみられる緊急車両に衝突された」とX(旧ツイッター)に投稿した。事故はテンダーロイン地区で現地時間午後10時過ぎに発生したという。
【Bloomberg社:8月19日付ニュースより一部抜粋】

この衝突事故により、現在米カリフォルニア州車両管理局では調査を行っており、GM傘下クルーズにロボタクシーの運営台数を調査が終了し、安全性向上の措置を講じるまで一時的に半減するよう求めました。

また、別日では「タクシーが乾ききっていないコンクリートに入ってしまい工事現場で立ち往生するという事故が発生しています。それだけでなく、また、音楽フェスの会場近くで、通信の問題が発生し周辺のタクシー10台前後が停止するという事態も起きており、自動運転の問題も相次いで起きていることから利用される乗客も不安の色を隠せないというのが現状です。

さぁどうなる『日本のタクシー』

ではでは…ここで気になるのが我が国、日本のタクシーです。
現状は首都圏の一部で試験走行レベルで行われたのみで、実際に営業での自動運転は未だもって行っていません。

しかし、今後タクシーの自動運転化は進むのでしょうか?

自動化は間違いなく進む

今後のタクシー自動運転化の、イエスかノーかの答えを突きつけられてしまった場合、「イエス」でしょう。

自動運転のレベルは先進国の自動車産業が盛んな国であれば間違いなく今後進化する分野ですし、自動運転もレベルが存在します。
その中で運転の効率化や安全性の担保がキープできるのであれば、そう遠くない将来に東京都内を中心に自動運転は進むのは間違いありません。

タクシー自動運転へ。帝都・国際がホンダと合意。

正直なところタクシー業界の現場では、考えていた以上に自動運転の波が早く押し寄せているのは確かです。

問題は雇用関係

タクシーが自動運転…ということは、タクシードライバーってどうなってしまうのでしょうか?

せっかく地理も覚えて、法令や接遇もマスターしてハンドルを握って営業を開始したのに「仕事が無くなってしまうのではないか」と不安に駆られそうな現職のタクシードライバーさんも、或いはこの記事を読んで「タクシードライバーの仕事って大丈夫なのかな?」と思ってしまっているあなたも、“雇用関係”はどうなっていくのかを考えてみましょう。

ドライバー不足解消も、ドライバーになれない人が増える…?

タクシーが自動運転化する最大のメリットは「人手不足を解消できる」ことです。

タクシー業界は正直なところ人材が不足している職種です。
東京都内ではコロナ禍で10%~20%のタクシードライバーが離職してしまったので、この事実は隠しようがありません。

運転手はなくなる仕事?今後の展望と将来性を解説

ですが、現在東京では「初乗り運賃改定」「配車アプリの普及」「インバンド復活」「行動規制解除」などでタクシー需要が前例のないほど増発しています。

コロナ禍前の一日平均営業収入を既に1万円以上も超えており、以前に比べ都内中心部でも配車アプリの恩恵でお客様が「タクシーを呼ぶ」機会が増え、流し営業に頼らなくても良くなった分、業界未経験者でも稼ぎやすくなりました。

そのため、コロナ禍で一度離職した元タクシードライバーの皆さんも「復職したい」という転職相談が増えている状況です。

ここで自動運転化進むとなれば、タクシー事業者はタクシードライバーの需要を心配することはありません。しかし設備投資に莫大な金額を有することは必須です。

さらに安全性で言えばまだ自動運転のレベルは乗用車でもレベル3(「Honda SENSING Elite」) が最高です。商用車でレベル4となっても事故が発生するのですから…自動運転に完全に移行するかは甚だ疑問が残りますし、まだまだ何十年、下手すると1世紀レベル先かもしれません。

それを考えると、自動運転化によるクシードライバー需要の減少はまだまだ当分…かなり当分先なので安心です。

自動運転の特性とは?

自動運転の特性として、大きな公道に強いことが挙げられます。

中国やアメリカのような規模の大きく、車線数が豊富な道路では、縦横無尽に自動運転タクシーを走行することが可能ですし、走行時も右側通行です。

【公道で初、運転席無人の自動運転タク実験】東京交通新聞より(2020年11月9日抜粋)

多くの自動車が市街地では走行しますが、大通りであるほど、速度は一定を保って走行はしやすいですし、車間距離も開けやすいですよね。

そのような道であれば自動運転の乗用車・タクシーでも比較的安全に運転が担保されるのではないでしょうか。

日本のタクシーは「自動運転」では難しい道多数

国内のタクシーはそもそも「自動運転」に適していない道路が多数あるため、導入が遅れるのではないかという見解もあります。

『日本国内は都内の広い通りであれば限定的に自動運転タクシーを採用する日が来るかもしれませんが、当社の営業区域に限っては坂道も多く、配車依頼で細い道へ行ったりすることがあります。そのような場合とてもじゃないが自動運転タクシーを導入してもシステムが対応できるとは思えない。いずれは出来るでしょうが当分先の話だと思います。

先日、とある東京郊外のタクシー事業者様と話をした際、面接に訪れた求職者の方から「自動運転」の質問が出たとのことで、その際こう話したそうです。

これから~Opinion~

日本国内でもタクシーの自動運転化へ動きが進んでおり、大手・準大手の一部タクシー事業者が試験走行レベルで都心部の道路を走行しているケースは時折ニュースでも耳にします。

しかし、上述にもあるように、国内の公道で本格的な自動運転を開始するにはまだまだ時間がかかるという見解が現場レベルの多数を占めています。日本特有の狭い住宅街の道や坂道だけでなく、通学路・道路交通法の複雑な事情が絡む地域の多数存在しているのも確かです。

それらを加味すると、やはりまだまだタクシードライバーの需要は必須で、国内で「自動運転化における人材削減の不安」というのはまだ杞憂にも感じます。

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