

海外から訪れる訪日外国人観光客の皆さんの国籍は様々です。
データをみると、全体の2~3割近くが中国からの観光客であり、他国の割合から見てもトップです。
また、2024年1月から9月の累計では中国からの訪日外客数はなんと5,247,500人!
これは前年の1,597,969人から228.4%も増加しているのです。
とまぁ冒頭から売上でもない数字を並べても眩暈がしそうですが、今回はその中国人観光客をっターゲットにしたタクシー配車アプリのニュースです。
見出し
【タクシー×インバウンド】大手配車アプリDiDiが春節を前にリニューアル!国内でもエリア拡大でタクシー営業に期待!
タクシー配車アプリ大手の『DiDi』を運営する「DiDiモビリティジャパン株式会社は、2025年1月より、国内へ訪れる中国人観光客の皆様が日本国内でタクシーをスムーズに利用できるため、リニューアルすることになりました。
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DiDiによりますと、新サービスによって中国人観光客の皆様の移動がさらに快適となり、今まで以上にタクシー利用が期待されるとのことです。
中国インバウンド向けの新機能とは?
DiDiでは大々的に「中国インバウンド向け新機能」と題してサービス開始を宣言しておりますが、どのようなサービス内容なのでしょうか。
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そもそもDiDiは中国発祥のアプリ。中国の「滴滴出行社」が運営する世界最大手の配車サービスを展開する企業です。
中国版がそのまま日本で利用可能に
実は配車アプリ『DiDi』は「中国版」と「グローバル版」の2種類が展開されているのをご存じでしょうか?
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日本では当然「グローバル版」が利用されていますが、本国の中国ですと『DiDi』は「中国版」というオリジナル版で利用されているのです…そりゃそうですよね。
ところがこの度、日本国内においても今まで利用が出来ずにいた「中国版」が利用可能となりました。

これにより中国人観光客の皆様は日本に訪れた再、配車アプリDiDi「グローバル版」のダウンロードをしなくても良くなりました。

DiDiおそるべし…。
春節の利用客増大に期待
※人口14億828万人。中華人民共和国はまもなく春節(旧正月)を迎えます。
中国ではこの春節が1年で最も重要な祝祭日とされているため、春節は中国人観光客の皆様が大挙として日本を訪問します。
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春節の日付は年毎に変わります。
DiDiでは『~訪日中国人観光客のタクシー体験を革新し、春節シーズンなどの利用拡大を目指す~』としています。
※2025年1月中国政府発表のデータ。
国慶節シーズンも乗車数の最高記録
中国の大規模な祝祭日はもう一つあります。
それが国慶節です。
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国慶節は1949年10月1日の建国を記念する国民的な祝日で、日本で言うゴールデンウィークの如く最大で約1週間ほどの連休になります。そうなれば日本にも多くの方が訪れ観光を楽しむという訳ですね。
また、国慶節では中国全土で盛大に祝賀行事が開催されることでも知られています。
DiDiでは2024年10月の国慶節シーズンにおいて、中国人観光客の皆様による乗車数が過去最高を記録しました。
これにより日本国内の観光時も本国で慣れ親しんでいる中国版「DiDi」を利用したいという声があったとされています。
複数のアプリを連動してる事業者も
配車アプリは1つのサービスしか連携していないタクシーがほどんどの中で、一部タクシー事業者は複数の配車アプリを搭載して営業していることがあります。
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国内の配車アプリに代表される『GO』や『S.RIDE』、さらには海外シェアで言えばトップクラスの『Uber』など、ユーザーの特性によって配車の依頼頻度も変化することでしょう。

昨今は新しい配車アプリ『newmo』も登場し、シェア乗りの『NearMe』もサービスを開始しています。アプリ配車でお客様を獲得する時代でもあるのです。

僕はほら、駅待ちとか乗り場待ち。あとは常連さんが乗ってくださるよ。
仲間は流しもやってるし、アプリばっかりの人もいるなぁ。
Alipayとの連携も
尚、昨年2024年の12月より日本国内でリリースされている配車アプリDiDi(「グローバル版」)では「Alipay」アカウントとの連携が可能となりました。
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キャッシュレス決済が可能のため、降車時に現金やカードでの支払いが不要!
これによりDiDiでは車内での煩わしい現金のやりとりもなくスムーズで快適な決済を提供しています。

確かにキャッシュレスはすごいラクですよ!早いですからね!
日本国内のエリアも拡大
配車アプリDiDiは現在、全国16都道府県でサービスを展開しており、タクシー配車の最適化を図るべく『平均5分』でタクシーが指定した場所に到着するアプリです。
2024年11月の時点で累計900万ダウンロードを突破し、勢いを見せております。
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そんなDiDiですが、新たに国内のアプリ配車が利用可能なエリアを拡大することになりました。
静岡県(富士市・富士宮市)と神奈川県(箱根町)
今回DiDiで利用可能となったエリアは静岡県のお茶で有名な富士市と、富士山本宮浅間大社や白糸の滝、さらにはあのB級グルメ『富士宮焼きそば』でおなじみの富士宮市。そして日本が誇る世界的に有名な観光名所である神奈川県箱根町です。
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静岡県富士市の『トンボ交通株式会社』および、『静岡県富士宮市のミヤマタクシー株式会社』と2025年1月21日に提携し配車アプリのサービスを開始ししております。
また、翌日の1月22日には神奈川県箱根町にある『箱根モビリティサービス株式会社』と提携しました。
さらに箱根町では箱根観光協会の協力の元、DiDiの宣伝グッズを地元ホテルやお土産物屋等に設置しているとのことです。

やはり中国インバウンドが狙い
富士市、富士宮市、箱根町いずれも富士山近隣ということもあり、中国人観光客の皆様による利用が多いことが見込まれます。
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近年のインバウンド需要でしてタクシー利用は移動手段としてかかせません。
DiDiによれば中国人観光客の皆様の自社配車アプリ経由のタクシー利用は、2024年水準の4倍以上に拡大すると予想しております。
これから~Opinion~
この先訪れる春節において、中国人観光客の皆様が配車アプリDiDiを駆使することによって提携するタクシー会社の売上向上はもちろんのこと、地域貢献が期待されます。
空港需要や観光地もさぞかし賑わいを見せることでしょう。
但し混雑時ほど、マナーの問題は付随して騒がれるものです。
タクシー乗り場の横入りや、荷物の過積載、交通違反など…お客様同士のトラブルはもちろんのこと、タクシー運転手同士のお客様の取り合いで無茶な運転をしないようくれぐれも気を付けてほしいものです。思わぬ事故に直結してしまいます。
いつもよりも多く人が出入りする時期ですのでタクシー運転手の皆さんは気を引き締めていきましょう。
インバウンド需要におけるタクシー利用も、アプリ配車の利便性向上や空港内での呼びかけによって、タクシー営業のスタイルが淘汰されてくる気がしますし、さらに厄介なのが白タク問題でしょう。取り締まりをもう少し…いや相当強化して頂きたいと思うばかりです。