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タクシー営業に影響あり!オーバーツーリズム・中国の大型連休が“稼ぎ”を左右する?

タクシー営業に影響あり!オーバーツーリズム・中国の大型連休が“稼ぎ”を左右する?
カケル
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この記事を書いた人:『転職道.com』の転職相談スタッフ・『タクシーハローワーク(TSJ)』では職業紹介管理者としてタクシー求人コンサルタントを7年従事したのち、東京特別区地理試験・法令試験取得者/二種免許保持。数々のタクシー企業担当者との取材や求職者との会話で最新の情報を記事化しています。自らも地理試験・法令試験・二種免許を保持し都内タクシードライバーとして勤務もしているまさに『二刀流』です。タクシーバイト企画当時もJPN TAXI及びクラウンで史上最速の平日&週末の両日連続で営収10万円を5度達成!現在では特別区売れっ子タクシー運転手としても活躍中。

タクシー営業に影響あり!オーバーツーリズム・中国の大型連休が“稼ぎ”を左右する?

コロナ禍から約5年あまり…。訪日外国人観光客(インバウンド客)は急速に復活しました。
と言うよりも、国内の訪日外国人の観光客需要はもうコロナ禍を遥かに凌ぐ盛況ぶりです。

特に中国・東アジア、そして欧米などからも旅行客が爆増しておりタクシー業界にとっても“チャンス”が再び拡大しています。

一方で、観光客が特定地域・時間帯に集中する「オーバーツーリズム(過度観光)」の問題も顕在化してきているのをご存知でしょうか?

オーバーツーリズムの未然防止に乗り出す

現在観光庁および関係省庁は、「オーバーツーリズムの未然防止・抑制」対策パッケージを策定しております。

これはどういう事かと言いますと…主に『観光客の分散化』や『混雑管理に乗り出す』の二点に集約されます。

タクシー運転手という立場から見れば、この“爆発的な観光回復”と“観光集中のリスク”の両方を読み解きながら、需要を取りこぼすことなく、稼げる営業戦略を構築していくことが重要と言えましょう。

コロナ前後で激変のタクシー×観光客需要

コロナ前を振り返りますと、やはり多くの観光都市では観光客がタクシー利用を支えていました。

特に京都・奈良・浅草といった国内外でも人気の観光地では、夜間の外国人タクシー利用が売上の柱だったケースもあります。

しかしその構造は「観光客頼み」の部分が強く、コロナ禍によってパンデミックなどの外的要因のショック事情には脆弱というデメリットも露呈しました。

コロナ禍による打撃と、その後の反動

コロナ禍ではインバウンドがほぼ消失し、タクシー売上は大幅に落ち込みました。
しかし、ご存知のようにワクチン普及・入国規制緩和とともに、今日の訪日客の爆増につながっています。

カケル
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また抗体が出来たのもあるでしょう…。
本当に当時は怖かったですよね。

中国人観光客の影響

中でも、中国からの旅行客が「GO/DiDi/WeChat Pay/Alipay 利用可能な環境」を求めており、これらに対応できるタクシー会社が圧倒的に有利になってきています。

カケル
カケル
このような回復トレンドを背景に、タクシー運転手は“観光客需要を取り込む力”が営業収入を左右すると言えるでしょう。

中国の大型連休(国慶節・旧正月)がタクシー需要を後押し

日本のお隣、中国では毎年以下のような大型連休があります。

• 国慶節(10月1日~)… 建国記念を祝う大型連休
• 旧正月(春節) … 中国最大級の帰省/旅行期間

これらの連休時期には、多くの中国人が海外旅行に出かける事でも知られています。
もちろん日本も人気渡航先の1つです。
実際、2024年の国慶節シーズンにはDiDiの乗車数が過去最高を記録しました。

また、北海道など観光地では国慶節の訪日需要に期待を寄せており、タクシー備えを強化する動きもあります。

このような連休シーズンは、普段より高単価・長距離利用や貸切需要が増える傾向があります。
そのため、その波を掴めるタクシー運転手には大きなチャンスとなります。

オーバーツーリズムがもたらすリスク&対応

ここではオーバーツーリズムが進行すると、タクシー運転手にとってもどのようなようなリスクが出るかを説明します。

近年オーバーツーリズムは社会問題になりつつありますが、逆を捉えると観光業界…タクシー業界にとってはチャンスでもあるのは言うまでもありません。(オーパーツではありませんよ笑。)

考えられるリスク要因

オーバーツーリズムでは以下のリスク要因があります。

• 観光地周辺の渋滞・交通規制強化
• 乗車拒否やマナー問題の発生
• 観光集中地域での競争激化
• 地元住民との摩擦・行政規制の強化

などが挙げられます。観光客が集中し過ぎる人気の地域では交通混雑の緩和を目指し車両制限や乗入規制が敷かれる可能性もあります。

カケル
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観光庁も「観光客の集中による交通手段・インフラへの過度な負荷」に対して、分散化・需給調整策を講じ始めていますよ。

タクシー業界での対応例

近年タクシー業界ではオーバーツーリズムの対応として、観光地へのタクシー応援派遣などを実施しています。

例として北海道のニセコエリアで札幌・東京からタクシー運転手を派遣し、GOアプリ注文だけで営業するケース(箱根エリアでもタクシー事業者が運転手派遣を実施)。

以下はインバウンド&観光地で実際に運用されているモデル・事例です。

▼ニセコモデル(北海道)
札幌・東京からの応援車両とタクシー運転手を、GOアプリ注文のみで営業する「ニセコモデル」が実証運行されました。山間部の観光地でもタクシー需要を拾おうという試みです。

▼京都 MK タクシーの多言語発信事例
ベテランドライバーが15言語で観光情報を発信する動画プロジェクトを始め、混雑緩和や観光客誘導に貢献しています。

上記の事例は、観光依存地域でもタクシー収益確保に成功しているヒントになります。

さらに、混雑時間帯や混雑ルートを避けるタクシー営業や観光客分散に対応できる柔軟なタクシー営業区域設定を実施しており、 タクシー運転手は観光情報の発信やガイド力を向上することで観光客との信頼構築を図っています。

カケル
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こうした対応をするドライバー・会社であれば、オーバーツーリズムの反動や規制変動にも強くなりますよ。

戦略と営業手法

この先、観光×インバウンド需要を取り込むには、以下のような戦略・手法が有効でしょう。
ここでは筆者の体験も一部交えて挙げてみました。

 配車アプリ対応の強化

外国人観光客はここ数年、アプリでタクシーを呼ぶ傾向が高くなりました。

昨年までは流し営業7、アプリ3という比率の印象でしたが、2025年は明らかに変わっています。4:6ないし3:7くらいの割合ではないでしょうか。
昨今はGOのみならず、世界的に有名なUberはもちろん、DiDiなど中国向けアプリの普及も見られます。

タクシー事業者によっては乗車機会を取りこぼさないために複数の配車アプリを対応(GO + DiDiなど)している場合もありますよ。

Alipay や WeChat Pay 等、中国人が使い慣れた決済とアプリ連携が可能な環境を整備することは、観光客の利便性を高め、“選ばれるタクシー”になる鍵になりましょう。

カケル
カケル
タクシー車内でもQR決済の支払い時に中国語のアナウンスが流れますよね。

観光ルートを熟知する。

タクシーの強みは観光ルートを見せてあげたり教えてあげる事です。

観光客を対象に、季節・地域に応じた貸切タクシープランを企画できるとお客様からも喜ばれますよ。

独自の観光地ルートの知識、穴場スポット案内力が武器になります。

混雑時間帯や規制時間帯を避ける

朝晩通勤帯や観光ピーク時間、規制時間は常にチェックが必要です。

概ね点呼時に共有事項として話したり仲間内での情報共有もあるので比較的早期に内容をキャッチ出来ることと思います。

混雑、渋滞を避けて効率的に動くようスケジュールを工夫することも大切です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

インバウンド需要とオーバーツーリズム、そして中国の大型連休(国慶節・旧正月)は、タクシー業界にとって強力な追い風にもなれば、規制や集中によるリスクにもなります。

どんな状況でも安定的に稼げるタクシー運転手…そして時代の変化に強いタクシー事業者は、観光需要を読み、変動に対応できる営業戦略を兼ね備えており、運転手間で共有しているケースがほとんどです。

配車アプリ・キャッシュレスの利用方法はもちろん研修でしっかりと学べますのでご安心ください。
また、多言語対応力に長けているとそれは大きな武器になることでしょう。

またタクシー求人を選ぶ際も「インバウンド需要への適応力」を重視しているのも昨今のタクシー業界ならでは特徴と言えるのではないでしょうか?

タクシー業界に転職を希望する際、国内外の観光客の波を捉えてしっかり稼げる会社、変化に強い営業力を持つ会社を選ぶことが、長い目で見て大きな差になるのではないかと思います。

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