世界では「チップ」が常識
チップとは、あるサービスを利用したとき、ちょっとしたお金を従業員に払う心づけのお金のことです。ほとんどの人に知られているチップですが、ところが日本では馴染みがないですよね。
特にヨーロッパにおいては風習となっていて、ホテルのベッドメイキングやルームサービス、タクシーの運転手、レストランなどの従業員に対して支払われていることが多いです。ちなみに日本ではこのチップ代がサービス・商品代金に徴収されているので風習になっていないのです。チップが支払われる国というのはサービス業の賃金が安いために、それがサービス事業者の生活給ともなっています。日本にはチップという習慣はないと聞くと、驚かれる欧米の人が多いといいます。
世界の多くの国では、料金の10%から15%くらいのチップがタクシーの運転手に支払われています。また、荷物が多いときはそれに対応してやや多めのチップとなります。
気になる日本のタクシー運転手のチップ事情
では、日本ではタクシー運転手に支払われるチップはあるのでしょうか。基本的には、日本でほかのサービスにチップが支払われないのと同様にタクシー運転手にもチップが支払われることはありません。しかし、まれにチップをもらえることがあります。これは、タクシー運転手にとっては嬉しいお小遣いといったことになるでしょう。実際に、チップをもらってかなり嬉しかった、感激したというタクシー運転手は多くいらっしゃいます。
タクシー運転手のメリットのひとつに、このチップを挙げる運転手もいるくらいです。ちなみに、日本におけるチップというのはサービスを利用したときに、小さな紙袋に包んで支払われることが礼儀で、現金をそのまま渡すのは非礼とされています。
しかし、タクシーの運転手については世界の国と同様に紙袋なしでそのまま現金を渡すことが普通となっています。これはよく聞く「おつりはいらない」というセリフです。タクシー運転手がどれくらいチップをもらえるのかというと、だいたい1回の乗務で1000円ほどのチップがあるようです。気前のいいお客様では、6千円くらいの料金で1万円を支払い、後のお釣りはチップということもあったりします。また、タクシー運転手がもらえるチップは景気にも左右されます。バブル時代では1万円くらいのチップがもらえたこともあったようです。
「チップをもらえる運転手になる」
タクシー運転手の教育において、「チップをもらえる運転手になれ」という教えがあるそうです。この意味は、もちろん利用者に喜んでもらい、チップをもらえるような気配り・対応のよい運転手になれということです。
タクシーの運転手は、お客様に心地の良さを提供する仕事であるということを理解しましょう。そして運転能力・地理知識・親切さという対応能力をフルに活かせば、お客様はそれに対応して、運賃以上の料金を払う、ということが多くなるのではないでしょうか。